2010.8.1

ウェイトトレーニングは危険なのか?

日本でもアメリカでもそうなんですが、スポーツ選手がけがをすると医者やATがウェイトトレーニングを中止するよう指示を出すんです。でもスポーツの練習はやり続けるっていう矛盾ね。
全く理解できないし、特に日本はひどい…

Ground Reaction Force(GRF)というものがあって、これは人間が作り出す動きと、人体が動作後(または動作間)に地面との接触時に作り出す、体に対する物理的ストレスがどれくらいかというのを数値にしたものなんですが、この数値を見てみると、スポーツ中に起こる「走る」とか「飛ぶ」とか「方向転換する」なんていう動きは、順番に自体重の3~6倍、2~4倍、4~8倍くらいのストレスが関節や筋肉に起こりうるんです。
しかしウェイトトレーニングって結構安全で、オリンピックスタイルリフターのクリーンのセカンドプルなんて自体重+持っている重りの1.8倍くらいだし、スクワットマックスに至っては自体重+持っている重りのおおよそ1.2倍くらいしかGRFがかからないんです。

この数値を見て感じません?
けが人、つまりけがをしているわけでしょ?
それで中止するのがウェイトトレーニングなわけ?!!!とか思うんですよ。

けがをしていてもウェイトをやり続けなければならない理由はいろいろあって、まずは、ウェイトトレーニング中の動作にはいろいろな筋群活動や関節稼動域が含まれるから、それらの筋活動と稼動域が、患部や体全体の硬化を防ぐし、何よりも運動による多様な筋肉のパンピングアクションによって炎症を起こした血液が分散して、いわゆるマッサージ効果を自らの動きによって生みだすんです。それと、筋力の維持ですね。まァ、維持とまではいかなくても、故障した運動選手をアクティブにさせておくことが復帰するまでのリカバリー時間を短縮するわけだし、けがが軽い場合はすぐにでも練習に参加させられる。

とにかく運動選手がけがをしたときに中止するべき(まァ、べつに練習もトレーニングも中止する必要がないならばそれでいいんだけど、どちらを中止するかといえばの話で)はスポーツの練習なんです。

確実に科学がそう言っているんだけれども、それを理解する医者もPTもATも非常に少なく、そして彼らの多くはウェイトトレーニングを日常的にしていないどころか、未経験者が多いんです。

まずは我々S&Cコーチと、そして何よりも運動選手と同じ土俵に立って「スポーツ」を語りたいんだったら、最低日々の鍛錬くらいをしていてほしいんです。少なからず真剣にトレーニングして自己身体改善をした経験くらいは持っていてほしいなぁ、と思っています。

これ言うと悪愚痴になるのかもしれないけれど、本当の事だから思い切って書きます。
アメリカのNATAカンファレンス行くとデブばっかなんです!!!
つまり運動選手の「健康」を謳っている人材が運動をする習慣のない心臓病の一歩手前とか、もうすでに糖尿病を抱えている人が多いってことです。
そういう人たちってプロの意識が欠けていると思うんです。
楽したいなら「人の体を扱う仕事」に付かないでほしい。

まずは自己鍛錬、そして始めて「運動選手」にとやかく言ってほしい。
「スポーツ選手をケアするプロ」ってそういうことじゃないの!!!

< >

CONTACT

GS Performance
〒135-0034 
東京都江東区永代2-28-3
Email: info@gsperformance.tokyo
TEL: 03-5809-8148
お問い合わせフォームはこちら