2010.8.24

ファンクショナルトレーニング

FUNCTIONALという英語の意味は
1.
a. Of or relating to a function.
b. Of, relating to, or indicating a mathematical function or functions.
2. Designed for or adapted to a particular function or use: functional architecture.
3. Capable of performing; operative: a functional set of brakes.
4. Pathology Involving functions rather than a physiological or structural cause.
ということで、スポーツトレーニングでは2.と3.の意味が適当でしょう。
つまり、我々の分野でファンクショナルトレーニングといったら、その選手の身体能力を向上させ、体の様々な組織に働きかけて、競技時により高い能力を発揮するための準備として「直接的に」役立つものを言います。

しかし、アメリカにおいて「トレーナー」という職種が増えてしまったせいで、あきれるほど多くの、見た目が「ファンシー」で、それでいてまったくファンクショナルではないトレーニング方法が産まれてしまい、その結果、ファンクショナルトレーニングの意義が今曲げられつつあります。

たとえば、今巷で運動選手のスピードを育てようということを中心にウナッてる団体が推しているラダートレーニングってどれだけ意味があると思います?
イッキーシャッフルやシザースなどの動きってどれだけ意味あります?
僕もやらないわけじゃないけれど、これらはアシスタンストレーニングであって、メインストリームに置かれるべきトレーニング方法ではありません。ましてや本気で運動選手のスピードを上げるためにこれらのトレーニングをやらせているのであれば、大きな間違いを犯しています。
運動選手のスピードを上げるためのトレーニングで効果的なものは何か?
それはウェイトトレーニングで筋力、ボディーコーディネーション、柔軟性を向上させ、その上で、我々知識あるコーチが付き添った上で、走り方、止まり方、方向転換の仕方を丁寧に教えることです。つまり体の適当な場所に適当な質の筋肉をつけてあげたうえで、体の使い方を実際に教えてあげれるのがファンクショナルトレーニングなのです。
ラダーを使ってうまくなるのは、そのラダーの上で行われている動きだけです。もしかしたらそれがスポーツパフォーマンスを向上させる役に立つかもしれないから、我々S&Cコーチは「時間があって、ほかにやることが無ければ」その巷で流行のラダートレーニングを取り入れるのです。すでに枠の大きさが決まっていて、自分の体をコントロールしなければその枠の中からはみ出てしまうという構造を用いて、我々もラダーをうまく使って、走り方や跳び方を教えることもあります。でも、そこに先にも触れたイッキーシャッフルやシザースなどはアシスタンストレーニングとしてしか存在はしないということです。
つまり、それらのトレーニングは、見た目が「ファンシー」であるがために、やっている選手とコーチ自身が「効果がある」と勘違いして広まってしまっただけです。本来はその前に山ほどやらなければならないトレーニングはあるんです。

もうひとつ、「バランストレーニング」の流行には閉口しています。これもアメリカから来たアシスタンストレーニングが、メインストリーム化した典型です。見た目が「ファンシー」ですから・・・
バランスを整えるだけのトレーニングは先にも僕が触れたウェイトトレーニングや体の使い方を指導するトレーニングの後でいいんです。というか、「時間があれば」行えばいいんです。やってみると意外と難しいんで、「オー!これは役立つ!!!」とか思うのかもしれないですけど、それを数十分やればうまくなっちゃうんだから、その運動って本当はそんなに難しくないんです。それよりもスクワットやクリーンのほうがもっと難しいしファンクショナルなのに・・・とか思うんです。しかもほとんどのスポーツってしっかりした床や地面の上で行われません?・・・それでも「何よりバランスが大事」って・・・でもバランス運動をメインストリーム化しようそしているコーチ自体が我々が行うウェイトトレーニングテクニックを持ってないもんだから、意外と少し練習すればできてしまうトレーニングをやることで、コーチとしての面目を保とうとしている傾向があります。実際にウェイトトレーニングを否定したがるコーチや「プロフェッショナルス」はそういう人が多いんです。

「コアトレーニング」という概念にも一石投じなければと思います。我々S&Cコーチにとっての「コア」とは、ひじから膝までの体の部分を指すんです。これは、背骨と骨盤につながる筋肉が続くところがひじと膝まであるんで、これらを「コア」といいます。つまり巷では「胴回り」を「コア」と呼んでいますが、我々にとってそれらは「コア」の一部でしかないんです。しかも「コアトレーニング」となると、我々の使い方とはまったく違ってきます。我々にとって「コアトレーニング」とは上に書いた「ひじから膝」までを全て含んだ運動、つまり、スクワットやデッドリフト、クリーンやスナッチ、ジャークなどになるんです。つまりファンクショナルトレーニングですね。巷で行われる腹筋運動やオケツを一生懸命振ったりくねったりする運動は、我々の分野では「コアトレーニング」とは呼びません。逆にそれらは運動選手の天敵である「椎間板ヘルニア育成運動」と呼んでもいいのでょう。
少し考えてみればわかることで、まず、それらの「胴回り運動」はスポーツパフォーマンスを助けるとは言いがたいです。スポーツパフォーマンス中に体にかかる負荷は、少し前に僕のブログに書いたように、自体重の何倍にもなるので、自体重を使って腹筋をしたり、オケツをくねらせたりして鍛えられる筋力の何倍にもなります。それに比べ、クリーンやスナッチなどのオリンピックスタイルリフティング中にかかる負荷やスクワット中に胴回りに力を入れることでかかるその箇所への負荷は、スポーツ中にかかる負荷に近いと思いませんか?
しかも椎間板ヘルニアっていうのは、脊柱中の液体が漏れて、それらが神経を圧迫し、体のあらゆる場所で筋肉収縮の弊害となったり、何よりも痛みの原因となる傷害なんです。脊髄というのは骨の間にある、ある程度は硬い膜で覆われたジェル状のもので、いくら硬いとはいえ、それらを何度も何度も圧縮した上にくねらせるなんて動作を続けていたらヘルニアになる可能性を高めるだけでしょう。また、これらをバックアップする科学的証明は多く出ています。

今日も暇だったので、長いブログになりました。
正しくトレーニングの指導をすることで、本来のS&Cの効果を世間に広めなければなりません。でなければ、いつまで経ってもS&Cの価値が世間で認められません。

偽者は許しません!!!

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