2011.5.11
運動選手に対するO-Styleリフティングの必要性
O-Styleリフティング(OSL)とは「オリンピックスタイル・リフティング(ウェイトリフティング)」で、その競技種目となる「スナッチ(地面から頭上まで重量物を移動する)」と「クリーン(地面から肩まで重量物を移動)&ジャーク(肩から頭上まで重量物を移動)」のことである。これらの運動に共通することは、「重量物をすばやい動きで挙上する全身運動」であるということで、科学的文献においても、OSLの動作は、人間が行う運動動作の中でもっとも「パワフル」であると言われて、このスポーツを運動選手のウェイトトレーニングメニューに取り入れた結果として、ジャンプ力や敏捷性が向上したと言う科学的立証が立っている。この「すばやい」動きを作り出すためには、かかと・膝・臀部の連携的伸展「トリプル・エクステンション」が必要であり、運動力学的観点から見ても、人体の爆発的な力(ジャンプ、スプリントなど)を発揮するために効率的で効果的な方法である。「全身運動」であるOSLを取り入れたウェイトトレーニングによって「トリプルエクステンション」を体にインプットすることは、スポーツパフォーマンスにおいても、自然にこの「かかと・膝・臀部」の爆発的パワーを生み出せる体作りに役に立つとされている。また一般的なウェイトトレーニングテクニックで行う運動と異なり、OSLは運動動作中に「勢い(弾み)」を伴うため、動作の終了時に「勢いを止める」という力が必要となってくる。これが前回のブログ内でも触れた「エキセントリック」の筋力である。OSL動作中に地面から頭上にまたは肩の高さに重量物を持ってくるまでには、その重量物が持つ重さ+地球の引力+挙上者が作った勢いを止める必要がある。これは、スクワットベンチプレスの動作時には感じられない重さである。これを制御する筋力を身につけることで、直接に傷害予防に結びつく。