2012.11.18

運動指導士の基本姿勢

今筋肥大期のトレーニングをやっていて、当然運動回数が多くてそれが苦痛でしょうがない。
だから運動中も
「やりたくねぇ…」
って言いながらやってます。

周りに僕の運動選手がいるときだって、
「10回とかやんのやだよなぁ…」
とか
「いつもこんなことやらせてごめんね…」
とか言いながらやっています。

そうしたら引退した野球部の奴から
「現役の時に聞かなくてよかった」
「加賀さんはそんなこと思わないかと思った」
「いつも加賀さんに言われてた『無理しろ!』ってやつ日常でも使ってるんですよ!!!」
って言われました。

ハハァ…ざま見ろ、ダマされてやんの!
俺ほど弱いヤツいないのに…

でも、文句言いながらだって、本音言いながらだって、やるべきことはやっているのさ…

S&Cコーチが運動選手にトレーニングを提供する前に必ず自分で経験しなければならない理由の最たるものは、自分でその「つらさ」を知っておかなければならないということ。そしてその運動がどれだけ大変で、同時にどこまで「無理」もできるのかということを知っておかなければなりません。
で、ちょっと時間がたつとそのつらさも忘れちゃうから、たまに思い出すために自分でやってみなければならない。だから、本当はやりたくないけど、しょうがないからその「つらいこと」をやるんです。

俺等コーチ、やりたくないことは別にやらなくてもいいんだから。
可能ならずっとベンチと名の付く運動だけをやっていたい…
でもやらないとコーチではいられないし、やることでプログラム・デザイニングや指導の質も、上の選手のセリフでわかるようにコーチとしての信頼も上がります。

「無理しろ!」
って選手に言う時に必要なのは、
「つらいのは分かる。でもね、まだ君にはもう少し力が残っているから、ここで無理をしてちゃんとしたフォームでやってみよう。そうするとこのセットの意味と効果がずいぶんと上がるよ。」
という実質的な経験からくる”同情”です。
この心も無く選手の指導をするのは、ただのSなバカです。

自分でやることこそがコーチとしての義務ですね。

いつもS&Cコーチとして学生運動選手に厳しいことを要求し、
「加賀さんは妥協しない人」
という勘違いを学生に起こす。
それだけの現象を起こすためには、それだけのことをするS&Cコーチでいなければならない。

僕は、自分を「教育者」と位置付けられるほど人間力はないので、常に自分はせいぜい「指導者」であると認識しています。が、大学にいる以上、将来を担う学生を教員として指導しなければなりません。
普通の学生に学術を指導する時も、運動選手を指導する時と基本的な構えは同じです。

必要最低限の課題をこなさなければ単位すら与えない。絶対に!

そのスタンスの結果、単位を落とすことになり最後の最後にすがりつく学生が必ずいるので、彼らには常にこう言い聞かせます。
「最初に説明した必要最低限の課題はやった?やるチャンスがあるのにやらないで、結果としてXが付いてから後悔してもしょうがない。この経験を人生の教訓として、今後は自分ができないことを克服するための努力はするようにしなさい。その経験を得たことが君のこの授業で得た単位です。」

うちの学校の生徒の多くが将来運動指導士となります。特に僕の授業を受ける学生は、それが目的で僕の授業を受けます。だったらなおさら簡単に単位を与えることはできません。
なんだったら、僕の手元で毎日S&C指導者になるためにやっているやつらなんかには、それ以上の要求をしていますし・・・

ある教授に
「加賀君と僕とは指導方針が違うから…」
とか言われちゃったけど、そりゃあ違いますよ。

だって、俺はS&Cプロフェッショナルだもんね!
今持つ知識や技術の重要性を知っているからこそ、評価の基準だって高くなる。
やることやってる俺は、指導対象者に求めるレベルだって違うのさ!

運動指導に当たる人は、まず自分でやってみてください。

あと、筋肥大期はいい。すこぶる体の調子がいい!
科学って素晴らしい!!!

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