2013.3.30

Coaching Cues

軽い重りを使って、非常に基本的な運動をさせることでこそ、その選手の体の癖や傾向をよく知ることができるということがあります。
今回は段階をおってその例を説明します。

下の3つのビデオですが、この日はこの運動に至る前に、スナッチ、フロント・スクワット、グッド・モーニング、インクライン・ベンチ、プル・アップを行っております。
つまり疲労がある状況の中、軽負荷で比較的単純な全身運動を行っているということです。

述べたとおり、体全体を使った運動です。
この運動で強調したいのは、臀部とハムストリングの働きです。前に残ったかかとに体重を残し、後ろに下げた足の膝が地面に着いた時には、挙げた重りからその膝までが一直線になるのが理想です。つまりそれがその足を後ろに下げる距離の基準です。足を後ろに下げ下降し、膝が地面に着いたら上昇して、両足をプラットフォームの上でそろえるまでずっと体重は前足の踵に残るようにします。これによって、臀部とハムストリングの活動が盛んになります。
それ以外にも、ひじをしっかり伸ばして重りを頭上に挙げていることや、当然のことながら腰と胸を張ることを注意しなければなりません。
とにかく、この最初のビデオが基本例です。


このビデオで僕の体の弱点が見えます。
右足が上にあるときにそれがよく見えます。レプ数で言うと、2・8・12・16回目の上昇動作中に膝が前方向に少しですがシフトするのが見えます。つまり、臀部とハムストリングではなく、大腿筋群を使って挙上したがっているんです。その瞬間は右足だけではなく、左足の大腿筋群もその挙上動作を多分に補助しています。
僕自身、1セット目が終了した時点で、なぜだか左足の大腿筋群外側に疲労を感じていました。臀部とハムストリングを強調した運動をしているはずなのに、おかしな反応だと思っていました。
だから2セット目にかけては、“逆に”そこまでフォームを気にせず、体の反応に素直に試技するように試みます。そうすれば、体が使いたい個所を使うようになり、自分の体の傾向を見てとることができます。
体は疲れると、自分の体の弱いところと強いところを教えてくれるということです。
このセットから知れることは、僕の右足に関しては、大腿筋群の発達が臀部とハムストリング群を勝っていたということ。だからこそ、疲労を感じているときには強い個所である大腿筋群を使うのです。
またこのビデオでは見てとることはできませんが、左足が上にあるときに、そのつま先が少し外に向いていることにも気づきました。つまり、左足の大腿筋群では外側を使いたい体になっているということです。
3セット目ではこれらを気にとめて、徹底して右足の臀部とハムストリングを使うこと、そして左足が前に残るときには、そのつま先をまっすぐ前に向けることを気にとめます。


足を後方に下げた時のその移動距離も広がってしまっていることにも前セットに気づいたので、そこも少し気にかけて試技した結果、このビデオに見てとれるフォームとなりました。疲労がある状態でも無理をすれば、このようにできるということです。
まぁ、軽負荷なんで・・・
でもこの軽負荷というところが大事なんです。
高重量では、やはり少し自分の癖を強調したフォームになってしまうからです。

今回のビデオでは、僕が何を言っているかわからない方もいると思うんです。本当に少しの膝のシフトなので、経験や知識のない人には何があってて何が間違っているのかがわからないはずです。
また、フォームの理想というのは人それぞれで、僕のフォームそのものすら理解できないという方もいるのかもしれません。

そして僕の癖は、僕には顕著に見えても、一般的には非常に少しのものです。
なぜかというと、いつもフォームに気をかけてやっているからこそ、ほっておいてもきれいなフォームですべての運動の試技ができるようになっているからです。

プロのコーチは、日常のトレーニング中でも丁寧に選手のトレーニングテクニックに目を向け、そしてそれらを修正し、その中からも何かを見出し、それらの選手の癖を知らなければなりません。
そして、それらでも知りえない、修正しきれない選手の弱点を、上に挙げたような運動を利用して、少しでも修正することを試みるんです。これにより、選手自身も自分の弱点をよく理解することができます。
だからこそ、僕もこのような運動を諸々の高重量を扱う運動の後に入れるんです(当然、持久力や安定性を育てるためでもあります)。

自分のテクニックをビデオで確認し、自分で修正を施しつつ、また自分の体の反応を自ら感じることで、コーチングのヒントにするということも非常に重要です。

目指す体を作り出すため、そして選手に優れた体を提供するために、諸々なことに取り組んでみてください。

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