2013.4.23

ポケットの理論

ポケットに携帯が入っていれば使えます。
バンドエイドがあれば使えるし、100万円が入っていればそれも使えます。
逆に、携帯が必要な時にポケットに入っていなければ使えないし、バンドエイドもお金も、何も入っていなければ、何も使えません。

体も同じです。
そこに筋力と柔軟性があれば、人はそれを何の気なしに必要な時に使うんです。

今、新入生が思うようにハムストリングと臀部の活動を起こすことができず地団駄を踏んでいます。

しょうがないのです。

僕が彼らの「ポケット」の中に、彼らが必要と思えばいつでも使える柔軟性と筋力を一生懸命詰め込んでいるのですから、辛抱すれば、そのうち必ずモノがポケットの中に入ってきます。

ちなみにお断りしておくと、
「ポケットの理論」
もちろん自論であり、科学的専門用語でも何でもありません。

一度Crossfit Daikanyamaでインストラクターやゲストにクリーンを教えたことがありました。

基本的に僕は初対面のグループにクリーンを教えるようなことはしないのですが、その時の対象者のほとんどが日ごろ筋力トレーニングをしている人口だったので、“とりあえず”教え始めてみたら、意外とできる人が多かったのです。
というのも、クロスフィット・インストラクターや格闘家である彼らの”ポケット”にはそれなりのモノが入っていたからです。

ただ、当然思うように体が反応しない参加者もいました。
その方たちの“ポケット”の中にはクリーンを行うに十分なモノが入っていなかっただけなのです。

簡単な話、ポケットに最初からいろいろなものが入っていれば、我々S&Cコーチなんでいらないんです。

では、僕たちコーチは何のために存在するのかというと、より良い運動選手にするために、その“ポケット”にモノを詰め込んであげるためにいるんです。
例えば、2週間の海外研修の参加者のために、旅のしおりに渡航中必要な所持品のリストを載せるように、コーチの頭の中にある、「優れた運動選手に必要な所持品」を一個一個選手のポケットの中に入れていってあげればいいのです。

先にも述べたように、当然、初めから持っているものが多い選手もいれば、初期段階では他の選手よりも所持品が少ない選手もいます。
それでも、ある一定の時期を過ぎたころには、対象となるすべての選手のポケットに、ある一定の所持品を確実に詰め込んであげるのがコーチの役目です。

理解していただかなくてはならないのが、その「一定の時期」が来るまでに要する時間は意外と長いということです。
当然1日では足りません。

だから僕はクリーンやスナッチという、所持品を多く必要とする運動を初日に行わず、その代わり、ランジ等のより難度の低い運動で、クリーンやスナッチのような、より強度と難度の高い運動を行える体作りに必要な所持品を選手に渡していくのです。

また、ポケットに必要なモノを詰め込むための工程(トレーニング)には、一定の頻度で、数か月または数年をかける必要があります。

選手を含め、チームコーチまたは保護者等のS&Cコーチの周りにいる人口は、その比較的長い年月に理解を示し、選手たちの運動能力向上への期待を持って忍耐強く待つ必要があります。
有能なコーチであるならば、待った分以上の効果を選手たちに与えてくれますから、安心してください。

今後、本気で“ポケット”の中身をいっぱいにしたい人がいたら、たっぷりの時間を取って私の施設まで来てください。
予想していた以上の「より良いモノ」をそのポケットに詰め込んで差し上げることをお約束いたします。

以上、「ポケットの理論」でした。

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