2013.7.1

手段であって目的じゃない

色々な運動施行方法や運動の種類があって、それらを駆使して他人の体を改善するのが我々の役目です。

で、体育系大学なんで、たまにチーム指導者にこういうこと聞かれます。
「スクワットとかベンチプレスとかクリーンとかの他にどんなの入れたほうがいいですか?」
「どうやって持久力ってつけさせればいいですか?」

こういう質問の裏には
「わたし運動に関して知識がないんで、なんだったらプログラム立ててください…」
という考えがあると思うんです。

で、
「分からないんで、私のチームのトレーニング担当してくれませんか?」
につながれば話は早いんですけど、そういうわけでもない。
その場合、上の質問には僕の返すべき回答はありません。
あるとすると、
「じゃあどうして必要と思うのですか?」
「どうしてスクワットやベンチは入っているのですか?」
という問いかけです。

つまり、トレーニングプログラムを作成する知識や技術がない人の場合、諸々の関連雑誌・ウェブや自分の経験等から、一般的に普及されている運動をプログラムにただ「つっこんでる」んですね。
つまり、スクワットやクリーンを行うことによる体への効果が目的ではなく、スクワットやクリーンをすること自体が、そしてそれらの運動をプログラムに入れること自体が目的になってしまっているんです。

トレーニングやエクセサイズのトレンドを見ても同じことが言えると思うんです。

加圧も、加圧の資格を取って、加圧をクライアントに施すことが目的でなってしまって、加圧が起こす体への効果は二の次になっている人だっているし、最近ですと、HIITをすること自体が目的になってしまって、本来ならばその施行方法は山ほどあるのに、雑誌やウェブ等に載っているたった一種類を一生懸命丸暗記して、それをそのまま自分の運動選手やクライアントに与えてしまう人材も結構いると思うんです。とにかくその流行りの「単語」にとっつくことが目的になっているんでしょう。

運動は手段です。目的にしてはいけません。

で、目的になってしまうとどうなるかというと、知りうる情報以上の応用は利きません。そして、応用が利かないもんだから、望まれるべき効果は出ません。そして、科学的なバックグラウンドもわからずにやっているもんだから、後付の理由しかついてきません。結果、まっとうに繁栄しません。傷害を生む可能性も大きくなります。

それこそが現在のフィットネス業界の9割7分です。

手段は手段であって目的であってはいけません。
全てに理由があるのが基本なんです。
モノに名前がついてから「とっつく」のではイけない気がします。

高強度の運動をインターバルをつけて行う。
では、どのような強度で、どのようなインターバルで、どのようなプログレッションをつけて…
等の知識を持っていて初めて、HIITは行われるべきだし、それを雑誌やウェブサイトから得ようとしている時点で、「ダメ」でしょう…

なんだったら、僕等なんかはその名前が付けられる前から似たようなことを当然のように利用していたし、結果も出ています。
ただ正直に付け加えておくと、ケガ人も出してますよ。
高強度のトレーニングですから、チームに20-30人いれば、必ずその強度に耐えられない選手だって出てきます。だから、むやみやたらに誰でも参加させられないのも知っているんです。

僕でさえそうなんだから、流行に乗るためだけにその運動方法を取り入れる人は、必ずネガティブなアウトカムを引き出してしまいます。

ウェイトトレーニングも、コンディショニングトレーニングも、身体能力向上のための手段であって、指導者のエゴを満たす道具ではありません。
どうかそれだけは忘れないでください。

p.s.
そして、今回僕がHIITに関しても言及した理由は、HIITと大々的に謳っている表紙を付けた雑誌「NEXT」にホルトン社長の記事が載ったのを見たからです。そして、HIITとホルトン社長の記事の内容は全く関係ありませんのであしからず。そして興味がある方はNEXTのホルトン社長の記事読んでみて下さい!

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