2013.12.16

逆上がりのコツ

最近、ある運動指導者が逆上がりに関して子供たちにアドバイスを与えている映像を見て諸々と思うところがあったので、今回は逆上がり動作を考察します。

まず、逆上がりに必要な筋肉群はどこか?
ショルダー・フレクサー、バイセプス、ヒップ・フレクサーです。

どうしても逆上がりができない子供たちを相手に指導者がしきりに言っていたのは、
1.蹴り上げ後に体をピンと伸ばしてはいけない
2.おヘソを鉄棒から離してはいけない
3.肘を伸ばし切ってはいけない

ただ、これらはクレームであって、指導ではありません。

蹴り上げ後に体がピンとなってしまうのは、十分なヒップ・フレクサーの筋力がないために、体を「く」の字にとどめられないから。
おヘソを鉄棒から離してしまうのも、肘を伸ばし切ってしまうのも、ショルダー・フレクサーとバイセプスの筋力が不十分なために、自体重を支えきれないから。

だから、これら見たままの弱点を指摘してもダメなのです。つまり、「ラーメンまずい」系の指導者です。(詳しくはクリックして過去の記事を読んでください)

どのようにしたら
1.蹴り上げ後に体を「く」の字でキープできるようになるのか
2.おヘソを鉄棒から離さないようにできるのか
3.肘を曲げたままでいられるのか
を現実的に教えてあげるのが「運動指導者」です。

まず、下の映像を見て、逆上がりがショルダー・フレクサー、バイセプス、ヒップ・フレクサーの運動であることを確認してください。

動画で見てとれるように、勢いをつけるための足の蹴り上げも、上に挙げた3つの筋肉群があればいらないのです。
むしろ、それら3つの筋肉群に十分な筋力がなければ、振り上げた下半身とその勢いが、逆上がりの成功を邪魔します。また、僕の場合、一度肘が伸び切ります。でも逆上がりは成功します。なぜなら一度肘が伸びきっても、もう一度曲げるだけの筋力があるから別に曲げ続ける必要がなかったのです。そして、肘が伸びきった時には、当然、おヘソもバーから離れます。でもいいんです。ショルダー・フレクサーとバイセプスが強いから。
必要なのは、体を「く」の字に保つことができるヒップ・フレクサーと、バーに体を引き付けるためのショルダー・フレクサーとバイセプスの筋力です。

では、どのようにこれらの筋力をつければいいのか。

これができるようになれば、足を振り上げる勢いがなくとも逆上がりができるようになります。実はこの運動、僕が実際にたまにトレーニングに取り入れている運動でもあります。時間がない時、またはなんだかふざけたい時、引く運動と腹筋運動を同時にできるこの運動は意外と便利です。実際にやってみると結構きついんで、やってみてください。
しかしながら、正直これだけの筋力はただ逆上がりをするためであるならば必要ないので、下のこれをやってみてください。

肘と臀部を「く」の字に曲げてブラブラするだけ。これができるだけの筋力が育てば、逆上がりも容易にできるようになります。
当然、これすらできないのであるならば、もっと準備段階でより細やかな各筋肉群の強化運動をする必要があるので、それらに関する質問がある方は僕に聞いてください。

プロの運動指導者であるならば、指導対象が子供であればなおさら、「できるようになる」ための具体的な方法を提供してあげなければなりません。
見たままの現象を指摘して指導した雰囲気を出すのは指導者でもなんでもありません。ただのクレーマーです。

「どのようにすれば改善できるのか?」
を指摘できる指導者を、プロであるならば目指してください。

以上。

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