2014.8.29

疑いのすゝめ

“Honeymoon Effect”という言葉があるのですが、これはまさに結婚したての夫婦のような状況を表す言葉で、何かを始めた最初のうちは大概ポジティブな状況になるよ・・・という意味です。

フィットネスやトレーニング業界でもこの言葉は頻繁に使われていて、例えば、トレーナーを付けての定期的な運動習慣を取り入れた直後に急激に起こる身体的変化や、その身体的変化に戸惑い驚きつつも喜ばしく感じ、そのトレーナーへの信頼を深くする運動指導対象者の心模様も、まさにHoneymoon Effectです。

僕のブログ内での運動に関する専門知識、そしてそれに関わる強い発言は、おおよその場合、僕の同業者である”自分を運動と体の有識者と思っている人”や、その中でも特に”運動と体の有識者っぽい立場にいなければならない人なんだけれども実はクソみたいな知識しか持っていないド素人”に向けてあるのですが、今回のブログでは、”運動に興味がある一般人”にもよく覚えておいていただきたいことを書きます。

どんな低レベルのトレーナーであっても、定期的に何かしらの運動を指導対象者に提供・指導すれば、その指導対象者には何かしらの身体的変化は生まれ、その指導対象者自身もその変化に当然気付き、定期的に行っている運動の効果を感じることができます。ただ、大事なのはその”何かしらの変化”がどのようなもので、どれだけの健康的な効果があり、より長期的に見た時にどのような変化を起こしていくのか、そしてその長期的目的の達成で考慮すると本当に健康的なのか、ということです。

例えば、腹筋運動の目的は、見た目(ダイエット)だったり、”オツウジ”の改善だったり、”体幹の強化”だったり、腰痛改善だったり、諸々あると思います。ただ、これらを本気で謳って指導する指導者はクソです。54,648歩譲って、最初の2つの項目はどうにか達成できるかもしれませんが、それ以外は到底ないです。そして長期的に見た場合、負の効果だらけです。それに関してはこれこれを読んでください。

世の中に”本物の”運動と体の有識者は非常に少ないです。
たとえその指導者のクライアントにトップアスリートがいても、有名人がいても、卒業した大学名がすごくても、博士号や修士号を持っていても、海外留学していても、その人がスゴイとは限らないし、おおよそは大したことないです。
だから、まずは疑ってください。

ではどのように”本物”を選別するかというところがとてつもなく難しいところなのですが、意外と簡単にできちゃったりします。
一般の人で減量目的であるならば、まずパーソナルトレーナーをつけることはやめたほうがいいです。その代わりに定期的に体を使うアクティビティーを始めて、その他にエリプティクル(下写真)に数十分から自分が少し無理して継続できるくらいの時間を週に複数回やってください。つまり、ジムのスケジュールにあるグループレッスンと個人的な努力でどうにでもなります。あとは体重計とのにらめっこ勝負です。

エリプティクル

体の見た目を変えたいという方、例えば大きな大胸筋とか腹筋の6パックとか大きな上腕の力こぶ等を欲している方で、それらの見た目を手に入れられるのであるならば体に故障は当たり前だ!という覚悟のある方、どうぞそれ相当の運動をパーソナルトレーナーと共に開始してください。
見た目も大事だけど、腰やひざや肩に痛みが来るのはちょっと・・・という方、おケツがプリッとしてて、足は筋肉質で太いんだけど大腿筋(太腿の前面)に筋肉のラインがこれ見よがしに出ていなくて、両肩が比較的後方に有って、広背筋が張ってて(俗にいう上半身が”逆三角形”の人)、胴回りが筋肉質でドスンという感じに太くて(腰を触るとちょっとした小川が流れる可能性があるほど背骨を囲むようにに筋肉の隆起で作られた”渓谷”がある)、”インナーマッスル”と言う単語をその単語利用者と単語自体をバカにするとき以外決して使わず、胴回りを”コア”と呼ばない、”ウェイト”という言葉のジェスチャーで”エア・ベンチプレス”をやらない人をトレーナーに選んでください。
アスリートの方で、競技力向上とともに障害予防のためにトレーナーをお考えの方、まずは私までご相談ください。

人間の体は複雑である反面単純です。
何かをやればその通りに反応を起こし、その反応は良かろうが悪かろうが、起こるときは起こります。
短期的な初期反応を決して信用しないで下さい。そして、その反応をこれ見よがしに誇って、営業の謳い文句にするようなトレーナーは切ってください。

世の中の運動指導者というポジションは、それらを育成する教育機関の偏差値等を考慮しても、その資格取得の難易度も含め、職業に就きたいと数年間でも真剣に思った人おおよそ全てが就けるほど容易に得ることができるものですから、肩書や経歴そしてその人材の熱意だけではその人材の本質は掴めません。だって、日本を代表してサッカーのワールドカップに出場する選手のトレーナーがこれですから・・・そして世界レベルで活躍する運動選手ですら、競技力はあっても運動に関する専門知識が無いからこそこれらのクソ運動をマジメな顔してこなせるのです。

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どうにかまずは知識がありそうな人全員(僕自身も含める)を疑ってかかってください。さもないと、金をドブに捨てるだけではなく、一生ついて回る障害が自身の体に発生する可能性すらあります。

健康はかけがえのないもので、ただやみくもにお金をかけるだけではそれをキープすることはできません。
もうすでにパーソナルトレーナーを雇っている方でも、初期にあった体の変化だけに惑わされず、”本当にそのトレーナーが本物なのか?”と疑ってみてください。

運動と健康に興味がある一般の方々も、ある程度の知識が無ければ、経済的そして健康的に大きな損をしかねません。
スポーツ選手の数と運動に興味のある一般人の数を比較しても、圧倒的に一般人の方が多いのです。日本のスポーツ文化を、そしてオリンピックでの日本のメダルの数を向上させることができるのは、もしかしたら一般の健康マニアが生み出す文化なのかもしれないのです。

お願いですから、まずは世にすでにいる”専門家”とそれらを信用したがる己自身を疑うことを覚えてください。
不確かなことがあれば、まずは私までご一報を。

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