2015.1.7

1RM Table

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年最初のブログは、”1RM Table”の僕なりの使い方に関して書きます。

1RM Tableはこれです。

1RM-spreadsheet

この表の使い方は一般的に2つあります。
1つ目は、自分の最大挙上重量を推測する、そして2つ目はトレーニング中の挙上重量を決める、です。
1つ目は意外と単純です。例えば、バックスクワットをしていて200㎏が3回ギリギリ挙がったとします。であれば、その人のバックスクワットの最大挙上重量は200/0.93=215㎏と推測されます。また例えば、ベンチプレスで100kgがギリギリ12回挙がったとします。であれば、その人のベンチプレスの最大挙上重量は100/0.67=149㎏と推測されます。ただですね、この推測数値は運動回数が多くなればなるほど信頼性が薄れていき、高回数ではその対象者の筋持久能力も強く関係するという事で、8回以降の数値においては信頼性が薄いという指摘も受けています。ですので、この表を利用して最大挙上量のテスティングをする時には、せいぜい5回までにしておいた方がいいです。

2つ目の”トレーニング中の挙上重量を決める”に関してですが、これが結構トリッキーで、この表を上手く操るには、コーチとしての経験や知識が多分に必要となります。と言うのもですね、この表をマルマル信じてトレーニング時の負荷を決めることはできないからです。つまり、バックスクワットのテスティングをして、その選手の最大挙上重量が200㎏であることが判明したとします。だからと言って、次回のトレーニングで3セット5回のバックスクワットを取り入れる時に、その負荷数値に200kgx0.87の174㎏を用いることは不可能です。
理由は単純で、人間は疲労を体に残すからです。
例えば僕のプログラムの場合、スクワットに至る前にクリーン等のパワートレーニングを行います。実際、そのパワートレーニングの負荷数値もテスティングをもとに決めますから、選手たちのサブマックスに近い数値でそれらのトレーニングをこなすことになります。そしてその後の3セット5回のバックスクワットですから、僕はそこに85%を用います。その数値も、中期から長期のトレーニング経験者にしか用いることができない高レベルな数値で、経験値が小さければ、その数値は82.5%や80%に落とす必要があるということです。また、僕の運動選手はウェイトトレーニングだけを行って毎日過ごしているわけではなく、むしろウェイトトレーニングよりも競技練習から来る疲労を体に残しつつ日々過ごしています。なおかつ、ウェイトトレーニングに来る直前まで競技練習をしている、ということもあります。その点も負荷数値決定時に考慮しなければならないですから、先に述べたように、1RM Tableの利用にはコーチとしての経験や知識が必要となるのです。先に挙げたパワートレーニング、特にオリンピックリフティングにこの表を適用する場合は、また違った考慮をしなければなりません。というのも、クリーンやジャークには”成功するか否か”という面があるからです。トレーニングとしてのクリーンでは、キャッチできるか否かで体にかかる負担(ここを参照)も違います。また、3セット2回のクリーン運動で、どうしても3セット目の2回目のクリーンのキャッチができず、その選手がその2回目をキャッチするために6回かけてしまった場合、僕がわざわざ作った3セット2回のプログラムが乱れてしまいます。であるならば、この数値も3セット2回のプログラムだからといって、むやみに負荷数値に95%をつけることはできないのです。ちなみに僕の場合90~92.5%をつけます。そしてこれも選手の疲労具合を考慮して変化させます。

自分自身がしっかりとトレーニングしているからこそ理解できる負荷数値です。また、選手たちの疲労やトレーニングテクニックに関する理解もなければ、効率よく効果的なプログラムの作成はできません。
頭のいい科学者たちが我々コーチに与えてくれた知識を十分に活用するためには、我々が指導者としての知識と経験値を常々向上させていく必要があるのです。

新しい年になりました。
運動指導のプロの皆さん、指導対象者の健康と人生を豊かにするための手助けをしているという自負を強く持ち、また更なる発展を目指して邁進していきましょう!

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