2015.4.13

体重増加は選手寿命を縮めるのか?

イチロー選手の持論では、日本人選手には運動選手としての適正体重があり、体重を増やすということが障害発生の原因となり、選手生命を短くすることにつながるということです。彼もメジャーのパワーに対抗するために一度は3㎏増量したが、それが自分のパフォーマンスには合わなかったとビデオ内で述べています。

言わんとしていることはわかります。適正体重という考え方に一理あるといえば一理あります。ただ、それが正論とは言い難いので、少し意見します。

例えばマイケル・ジョーダン、スコッティー・ピッペン、カール・マローン、デニス・ロッドマン、カル・リプケンJr、デレク・ジーターなどの、各リーグで20年程度活躍した選手たちのルーキー時代とリーグで最盛期を迎えたころの顔写真を見ても、確実に増量をしていることは見て取れます。(下にはイチロー選手と同じメジャーリーガーとして活躍した選手2人の写真を載せます)

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これを言うと、イチローも高卒ルーキー時代は体も小さかった、でも一流になるときにかけて少し増量しているという事実もある。だから、この写真の提示自体がフェアではないといいたい人もいると思いますが、それならば、上に挙げたバスケットボール選手たちの、プロとして4・5年経った時の写真と、リーグでトップ選手となって久しい10年目以降の写真を提示することもできるので、必要があればご自分でググってみてください。しかも、彼は石井元選手に入団時の体重とメジャーに来た時の体重を聞いています。つまり、やはり彼は、入団時の体を維持することを述べているんです。
僕自身がバスケットボールが好きなので、結局このスポーツに関する話になりますが、バスケットボールは野球よりも心肺機能にも、骨・関節・筋肉に対するストレス面でも厳しいスポーツです。だからこそ選手として活躍するためには、野球選手よりもフィットな体を維持する必要があります。それでも、リーグに入ってから数年たつと、他選手とのあたり負けを防ぐためや、自分の健康を維持するためにも、体をゴツくする必要があるため、少なからず体重を増加させます。しかし、丁寧にプログラムされたトレーニングを日常化して懸命に取り組んだ選手は、かなり長い年月を一流選手として過ごし、20年ほどのキャリアを経て引退をします。それらの選手には確かにデブはいません。しかし、日本人が判断するところの”マッチョ”はいます。

またイチロー選手がこのビデオ内で述べているように、「日本人は」となると僕のここまでの文章での立場は弱くなります。ただ、日本にも中日の山本昌選手がいるので、彼の若いころの写真も一応載せておきます。

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要は、どのように体重を増やすかということが大事なのであって、端的に体重を増やすことがいいとか、逆に増やさないことがいいとか、そういった話ではないということです。

優秀なS&C専門家の下でのトレーニングを習慣化さえすれば、選手としての寿命だけではなく、自分の最盛期のパフォーマンスのレベルも、そしてそれを継続できる年月も伸ばすことができます。
長い間選手として活躍したいという方、まずは私にご一報ください。お助けします。

*注
あくまで、イチロー選手のコメントに対するS&C専門家としての意見であり、彼をディスリスペクトするための意見ではありません。
イチロー選手には、新天地で大活躍をしていただきたいと思っています。
あしからず。

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