2016.2.4

テスティングを実施する責任

トレーニングプログラムを有効化するためにテスティングは必要不可欠です。

その目的は、現状把握、プログラムの有効性の確認、次プログラム作成時の指標として、選手のモチベーション向上、指導者・選手間の信頼関係構築、等があります。

そして何よりも、そのテスト種目の数値を上げることが、できる限り効果的に競技力向上につながらなければなりません。

 

テスティングをするからには、数か月のうちに同じテスティングを再度行って、その数値を向上させなければなりませんし、そのためのプログラムを作成して選手たちに実行させるのがS&C指導者の役目です。そしてその数値の向上と競技力の向上を連結させるのです。逆に言えば、競技力向上に深い関係のあるテスト種目を選択して実行しなければならないということです。

 

たまに、テストをすることを目的としているようなS&C指導者とプログラムを見ます。

  • テストをするのに、そのテストの数値を上げる工夫がないプログラムを提出し、結果、当然テスト数値が向上しない。それどころか再テストすら行わない。
  • テストを行い、その数値を上げるためのトレーニングも課すのだが、そのテスト数値自体が全くと言っていいほど競技力向上に関係がない。(例:コンディショニングテストを実施し、そのテスト数値を上げるほどのトレーニングはしこたまやるが、実はそれだけの持久力は競技に必要ない)
  • テストが実施できるような身体能力すら持っていない人に対してテストを実施し、後にテストが実施しうるようになった体に再テストを実施して、その数値の劇的な変化に指導者が勝手に悦に入る。(例:トレーニング初日にスクワット1RMテストを行う)
  • 競技コーチに言われるがままに、自分もあまり理解していないようなテストを実施し、競技コーチは満足するが、その他の関係者は誰一人として幸せにならない。しかも、再テストは行わない…(例:米国研修に行ってきたバスケコーチに言われるがままに、現地で見てきたバランステストを選手達に行う)
  • シーズンの序盤にテストをして、その数値を上げるようなきついトレーニングを選手にさせておきながら、その状態はその時限りで、シーズンの重要な時にはその効果や影響は0に近い。(例:試合期が始まる半年前にテスト・トレーニング・再テストを行うが、その後トレーニングすら行わない)

などがそれです。

 

テストを行うからには、S&C指導者はそこに責任を持たなければなりません。

その数値の変化とその変化の理由を予期し、その予期に近い数値を出し、その数値を適した時期に確実に向上させ、選手たちのモチベーションに変えなければなりません。

そして、それが実現できるだけのトレーニングプログラムを作成する能力を保持していなければなりません。

 

テスティングを計画し実施するのはS&C指導者ですが、それを実際に行うのは選手です。そして試合で相手と戦うのも選手です。

その選手たちのために、できる限り”勝利”に有効なトレーニングプログラムを作成し、質の良い指導を提供できる指導者になりましょう。

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