2019.2.16

「気遣い」ができなければプログラム作成はできない!

FA56D7F5-9652-475E-AE45-0D68A54F6C5C

最近クライアントさんからの相談や、運動指導者の育成指導の中で、トレーニングプログラム作成に関して考えることが複数回あったので、その内容を少しシェアします。

 

まずプログラム作成に必須となる2つの情報があります。

それは、(1)現在の状態そして(2)目標、この2点です。これらがわかっていなければまともなプログラムは組めません。

今どういう状態なのかを理解していなければ、何を改善し、何を伸ばし、等々、プログラムの概要すら浮き上がってきません。そして目標がなければ、どの方向に進むべきなのか、達するまでどれだけ期間があるのか、等々、運動種目や強度や回数設定も定まらず、しかもプログラムを提供したところで、指導対象者の士気も上がりません。

とにかく、この2点がなければプログラムは作れないし、この2点が存在するにもかかわらずそれらを明確に把握せずまたは無視してプログラムを作成するならば、指導対象者はただただ無駄な時間と疲労を費やすだけです。

つまり「現状」から「目標」まで、いかに直線的なプログラムを作成するか、というのが運動指導者の「腕の見せ所」です。もう少しシビアな日本語を使うと「資質」です。

 

先述した2点以外にも、指導者側が気にするべき点を羅列します。
下記をどれだけ”深刻”に考慮できるかどうか、どれだけ指導対象者に”気をつかえるか”そして”寄り添えるか”が、運動指導者のレベルを分けると思っています。

  • 運動頻度:指導対象者が週に何回トレーニングをするのか把握する。当たり前の話ですよね。
  • 運動時間:どのくらいの時間をトレーニングに費やせるのかを把握する。この情報がなければ、時間内には終了することができない数の運動種をプログラムに入れてしまうなど、非現実的なプログラムを作ることになります。つまり、これも考慮するのが当たり前の項目です。
  • 運動環境:指導対象者がトレーニングするときにアクセスできる器具や、周辺近隣への音と振動の影響、個人で行うのかまたは仲間と行うのか、ラックの利用時間制限、遠隔指導になる場合はビデオ撮影環境、等々を把握する。使える運動器具がわからなければ運動選択ができません。O-Liftsができるのか、メディスンボールが投げれるか、走るためのどれくらいの直線が取れるか、坂道があるか、等がわかればプログラムに入れる運動種が決まります。そしてモチベーションを保つための材料があれば、少し厳しい運動を入れてもしっかりやってくれるという信頼につながるので、仲間とやる、ビデオ撮影できる、等の情報は有益です。
  • 指導対象者の性格:指導対象者の性格により提供するプログラムの内容は変わります。指導者の目の届かないところで運動する時には予定通りのプログラムを全うすることができない指導対象者もいますし、その逆もあり、放っておくと頑張りすぎてしまう人もいます。自主トレの時には意識をそれほど高く保つことができない人には、妥協点もつけつつ、自主トレを行う重要性をしっかりと説明し、その中で最低限これだけはやってもらわなければならないという内容をプログラムに入れ、そしてそういう意図でプログラムを作っているのだということも明確に伝え、自主トレに臨んでもらっています。その逆で、己に強く、提供しているプログラム以上に運動をしてしまうような気持の強い人には、そうでない方々よりも繊細な強度設定とその事前説明が必要となります。予定にない苦労を己に課せてしまう人がいるので、そういう人ほど、誰かが止めてあげなければなりません。S&C指導者はその「誰か」です。オーバートレーニングによる怪我が起こることは、自主トレをやらずに成長が滞ることよりも恐ろしいことですから。
  • 指導対象者の再現力:横に立って指導できる時と、自主トレの時のフォームが大きく異なる人、それが再現力の薄い人です。そういう方は、毎週毎週、来るたびにフォームが経験値が薄かった時に近づいて戻って来てしまう傾向があります。そういう人には、フォームの習得がより確実な運動を自主トレメニューに入れなければなりません。または、フォーム習得のための練習メニューを詳細にわたり直接指導の中で練習し、それをまた自主練するという作業を幾度にわたり繰り返す必要も出てきます。”再現力がない”という弱点を明確に伝え、しっかりとそれを理解させるための工夫も、直接指導の中でしなければなりません。でなければ、「いつも言ってることが違う!」「何やっても認めてくれない!」等の誤解につながります。こういう指導対象者の指導こそ、気遣いがより一層必要になります。そういう方々に対しての最も単純な解決策は、その方ができることだけを徹底してプログラムに入れること。それで基礎筋力を可能な限り向上させつつ、その筋力を巧みに使う運動を徐々に徐々に取り入れていくというのが策になりますが、時間はすごく長くかかります。ですので、指導者にとってもそして特に指導対象者にとっても、簡単な出口はないです。

 

上記以外にも、怪我がある時や、仕事上または競技練習特性上の理由で来るたびに若干ずつ体調が違うなど、パーソナルトレーニングを生業にしていますとプログラムデザインをするときに考慮する点は多々存在します。

1対1で運動指導ができる環境が目の前にある以上、その指導対象者にピッタリ合った指導ができるその環境の利点をいかんなく発揮しつつプログラムに活かさなければなりません。

このブログ記事の序盤に書きましたけれど、目的に対して直線的なプログラムは、パーソナルだからこそより一層直線的にデザインできるのです。

そのために事前に必要な知識と技術を仕入れておくことが、人さまからお金をいただきつつも苦痛を与える「運動指導者」という不思議な職業に就く者の最も重要な務めです。

 

つまり、運動指導者が指導対象者となる”お客様”に対して向けられる一番の気遣いとは、指導者としての成長を促す自己研鑽です。苦労を避けて通らず、指導対象者のために努力しましょう。その努力抜きには運動指導は語れません。

 

日々精進こそ、お客様に対する気遣いの礎です。

<

CONTACT

GS Performance
〒135-0034 
東京都江東区永代2-28-3
Email: info@gsperformance.tokyo
TEL: 03-5809-8148
お問い合わせフォームはこちら