2011.8.4
勉強方法
僕は10年間も大学に行きました。
日本の大学に3年、米国の大学に4年、大学院に2年半、計おおよそ10年です。
日本の大学は1,2年の一般教養が終了時点で不登校となり、3年次はまったく行っていない状況だったので、正直、日本の大学の詳しいシステムはわかりませんが、少なからず、そんなに勉学に努力を必要とせずとも卒業ができるということは知っています。
しかし、米国は違いました。言葉の壁もあり、なかなか勉強しなければならず、結構頑張りました。
特に大学院時代は死に物狂いだった記憶があります。
大学が比較的簡単に単位をとれる学校だったんで、大学院に入ったとたんに、その教育レベルと単位取得にかかる苦労レベルがまったく違い、最初の数週間は途方にくれていたのです。
そこで見つけたのが、非常に単純な方法です。
授業を録音し、家に帰ってもう一度それを聞いて授業を復習するという手段です。
授業中に教授の言ってる事がわからないなぁ・・・と思ったら、録音機のタイマーを見るんです。そしてその時間をノートに書き込み、家に帰ってその時間を聞きなおすんです。
ノートを取っていて、その間に聞き逃したときは、書き取れなかった分の続きの部分のスペースを空け、そこにその時間を記入すれば、家に帰ってその時間を聞き直せばいいということになります。
そして、それでも理解が出来ないことがあると、その教授に聞きに行くのです。
基本的に、復習をしっかりしていて、質問の用意も必然的に出来ていますから、毎週のように教授のオフィスに行くこととなります。
大学院の授業では、どんなに一生懸命聞いても理解できないクラスとかもあって、そうなると、担当教授のオフィスアワーのほとんどを僕が占領するということもあります。
「オー勉強熱心だ。関心、関心!」
と思ってくれる教授はまずいません・・・
あまりにも行くもんだから、居留守をする、またはオフィスアワーなのに、外に僕がいるとわかるとどっかに行ってしまうという教授もいました。
気持ちがわからないわけではないのです。だって、本当にしょっちゅういましたから。
ただ、僕の嫌味なところは、そういうことをされたからといって、オフィスに行く頻度を下げないことです。むしろこれでもかってくらいしがみついて、とにかく理解できるまで質問を繰り返しました。
当然、それだけやっても理解できず、成績の上ではC(大学院では平均B以下だと卒業どころか学校に在籍もできない)なのに、それだけやったんだからとBを取るための攻略法を伝授してくれる教授もいました。
僕としては知識としてのBがほしかったのですが、Biochemはとにかく不可能だったなぁ・・・
とにかく、学生としての僕の信条は、
知りたいものは知りたい!!!
です。
大学時代はアスレチックトレーニングを専攻したのですが、正直、この科目は僕の大きな勘違いから学ぶことになったもんで、本当に渡米した理由はS&Cのプロになりたかったからなんです。
だから、大学院に入って、専門的知識を得るのは楽しくてしょうがなかったんですね。
きつかったけど、すごくいい思い出だし、その苦労が今の僕を形作っていると思っています。
このブログでもわかるとおり、僕の自尊心てとてつもないでしょ?
それは努力の上に成り立ってるんです。って、こういうことを言えるこの自愛がたまに怖いのですが・・・
今僕は大学に勤めています。
悲しいことにうちの大学の学術的レベルはすごく低いです。
一般的には高い偏差値を得ることが少ない、日本のスポーツ科学系の学科の中で、下の方でトップ争いをしています。
ですから、学生の質にも目をみはるものがあります。
彼らは質問をしません。
与えられた課題は、与えたほうが「あれっ、言い忘れたかな?・・・」と思うほど集団で無視します。
目の前の壁に対して、
「振り返りもと来た道を戻ることもせず、その場で見上げる」
という斬新な戦法を取る、非常に不思議な集団なのです。
とにかく、勉強でもトレーニングでも、
「自分で取りに行く」
態度が成功の第一歩だと今でも強く信じています。
うちの学生のほとんどがそれを持っていないのですね、特に学業に関しては・・・
僕にとって、大学で得た知識は凄くかけがえのないもので、何よりも今の僕を形成しているエレメントです。
勉強もトレーニングと一緒で、「効率的かつ効果的」なのが一番です。
どうにか、うちの学生にも創意工夫とクソのような努力を要して、僕が大学と大学院で得たような知識や経験を得て、社会に出てほしいものです。