2012.6.21
Before it’s too late
エクササイズのトレンドの多くはアメリカからやってきます。
エアロビクス、ピラティス、ボディービルディング、スピニング・・・
そして今回はクロス・フィット。
僕はブログで
「スポーツは体に悪い」
と言い続けているんで、スポーツと位置づけされている以上、上に挙げたものは、何かしらの意味に関しては全て体に悪いということになるのですが、健康のためにやる以上、体に悪いだけに終わらせるわけにはいきません。
特に今回Haleoが関わるCrossFitは、基本的には警察や軍隊を含むのコンバット系に関わる「ものすごく体の強い人」のトレーニングを目的に作られ、僕の分野であるStrength&Conditioningの要素を多く含み、CrossFit本部自らでS&Cに多く関わるというようなことも述べています。
つまり、CrossFitは競技(スポーツ)ではなく、根本はトレーニングであるということ、しかもかなり高いレベルの身体能力レベルを持った人に対するトレーニングであるということです。
トレーニング方法のひとつである以上障害の原因になってはいけないとは思うのですが、今南カリフォルニアを中心に全米で広がったCrossFitブームは、CrossFitters(クロス・フィットに参加している人達)のトレーニング中の慢性的傷害が原因で、健康業界にいる人材の中で論争の的になっているのも現実です。
http://www.livestrong.com/article/545200-the-fall-of-fitness/ (参考までに読んでください。両サイドの意見が書いてあります。)
では、何が問題か?
トレーニングのプロが必ずしも指導者になっているわけではないという点。
これにつきます。
体の成り立ちやウェイト・トレーニング・テクニックをしっかり理解している指導者のもとで行われない場合、本来健康のために行われなければならないトレーニングの中で健康を害してしまう結果になるのです。
実際にYouTube等で見られるCrossFit関連ビデオの多くでは、見た目にも実質的にもトップアスリートのすばらしい試技だったり、見る人が見れば健康的とは絶対に思えない代物だったりと、両極端の映像が見られます。
そして、上に挙げたようにCrossFitを危険視して物議をかもし出そうと試みている人たちの指摘点もそういうビデオであり、CrossFitを肯定している人たちも、「良い物もあり、悪いものも当然ありますよ」というスタンスでいることは事実としてあります。
ただ先にも言ったように、CrossFitの原点がトレーニングである以上、それが基で起こる慢性障害は極力防ぐべきだし、与える側はマイナスになる理由を改善するための努力を怠ってはいけません。
今回日本に入ってくるCrossFitは、諸々の危険要素を取り除くためのフィルターを通し、太平洋を越えて日本にやってくるのが理想的なのですが、きっとそういうことにはならないと思うので、今から諸々気にしてください。
飛んだり跳ねたりの前に基礎筋力を。
腰はまっすぐがっちりと。
他のスポーツと同様、「やってるうちにうまくなる」と思ってただやみくもにやってたら、コツをつかむ前に怪我をする。それがトレーニングで、バスケのランニング・シュートとは違うのです。
そしてCrossFitのような高強度トレーニングはまさにそれに値しますから、そう簡単に始めてはいけないし、そう簡単に人に勧めてもいけません。
「基礎」からしっかりとやって初めて「応用」があります。
CrossFitで求められる動きは、トレーニング動作の応用です。何度も言うように、高いレベルの身体能力があって初めて、健康的に参加できるものです。
最後に、未だ僕が何が言いたいか分からない場合は、CrossFitに関わる前に仙台大学に来てください。
健康的にCrossFitを楽しむ術を与えます。