2013.8.19
“バランス”とか“ゆがみ”とか言いまくる人材に対しての私見
少しでも体に関わることを勉強したり、仕事にしてしまっていると、ほっといても複数の体を見る経験を得るので、なんだか自分は人体のエキスパートなんじゃないか、もしくは、エキスパートとして振舞わなければならない、エキスパートと思われなければならない、という感情が生まれてきます。
そんな時に彼らにとって便利なのが、人体が必ず持つ「不均等」という特徴を指摘することです。
スポーツをすることから得る「体の癖」はもちろんのこと、日常生活からでも、もっと言えば、生まれながらにして、人体は左右、前後、上下に「不均等さ」が出てしまいます。しょうがないんです。
それらを指さして、
「だからパフォーマンスが伸びないんだ!」
「だから怪我するんだ!」
って言いまくってる人にまともな人はいません。
(このブログの題名の中でも言っているように、これはあくまで私見です)
彼らが言っているそういった“プロが出す評価っぽく聞こえるコメント”は、友達数人でラーメン屋に行き、友達に自分が味に精通していると思わせたい輩が吐く「まぁまぁじゃん」または「まっずい」などのセリフと同等です。
確かに、体が持つ特徴が傷害やパフォーマンス向上の妨げになることはあります。
または、傷害があるからこそ、ある特定の癖を体が持ってしまうということも多いです。
であるならば、体のプロはそれを指さして
「だから怪我するんだ!」
の一言で終わらせてしまってはいけません。
その癖があるからこそ怪我を起こしてしまうという事実、
どのようにそれを改善するのかという計画、
そのための具体的な解決策、
を説きつつ、その患者または運動選手に説明しなければなりません。
運動指導時も同じで、例えば、左右の体の使い方に少し変化がある場合、それを指摘するだけではだめなのです。どうしてその違いが起こるのか、それはどのようにして改善するのかを知りえない限りは、その弱点を選手に伝えるべきではありません。
スポーツ・スペシフィックな動きの指導でも同じことが言えます。例えばバッティングフォームを指さして、あれが悪いこれが悪いだけの指導者じゃだめです。どうダメなのか、どう修正するのかが説明できない限りは、その指摘は無駄です。
だって、ただ見たままの事実だけを伝えられても選手はどうしていいかわからないし、困惑させるだけなら、言わないほうがいいでしょ。
しかも、弱点だけ伝えられたって、選手一人じゃ改善なんか到底できないし、結局弱点を持ったまま選手生活が続いて、結果、選手としての成長が滞っちゃって、それをそのアホ指導者にこれ見よがしに「ホレ見たことか、だから言っただろ!」って無駄に指摘されて…想像するだけで悲しくなります…
あと結構いるのが、実は顕著な不均等さや癖、ゆがみも見つけてないのに、テキトウなゴタクを並べてフォームにイチャモンをつけて指導してる雰囲気を出しちゃう輩とか、はなから挙上重量が重すぎただけなのに、その重りを上げられなかった選手に向かって、「こうやって挙げなきゃ」ってエア挙上して指導してる雰囲気だけ出すどうしようもない輩。
指導者を気取ったクレイマー、
nnnメッ!!!
とにかくね、結果論だけを指さして、そこがダメ、あれがダメ、っていう指導者は迷惑以外何物でもない。
人間の体には必ず不均等や癖がある。
その不均等や癖が許容範囲を超えると傷害やパフォーマンス向上の妨げにつながることはある。
でもほとんどの場合、その直接的原因になる度合いには至らない。
なんだったら、世界最高峰の選手にだって、ローカル地区最下域の選手と同じ体の癖があることもある。
プロの運動指導者ならば、理想的なテクニックをまず伝え、そこに近づけるため努力の仕方を指導し、順序をおってより難度の高い運動を取り入れ、その中で諸々の選手の特徴を把握し、できる限り弱点を克服しつつ、責任を持って健康的に身体能力の成長を生み出さなければなりません。
「ラーメンまずい」的な指導者にだけはならないよう、また、今後の「ラーメンまずい」的指導者の減少を目指し、皆さん指導に励んでください。
以上