2013.11.4

楽天優勝!! + スポーツファンとしてのエクストラ

楽天が優勝しました!!!

毎年毎年パリーグの底辺をうろうろしていたチームが、日本野球の頂点に立ちました。
「全員野球」を掲げ、一人ひとりが自分の役割を十二分に果たし、チームは頂点にたどり着きました。
3年前に被災した東北の輝かしい光となり、日本全土に感動を届けました。素晴らしい限りです。
東京深川生まれで、在京チームを応援してもいいはずの僕も、今回ばかりは東北楽天ゴールデンイーグルスを心底応援していました。
やった!!!!!!!!!

で、今回はここから、「スポーツファン」としての意見。

「全員野球」
「役割」
という面でも、NHKのインタビューで星野監督がこんなことを言っていました。
「東北の人は優しくて、ノックアウトされてベンチに戻ってくるピッチャーにさえ拍手を送る」
「本当にチームに優勝してほしいのであるならば、そういう選手に拍手などいらない」
とファンに対して言ったことがあると。これを言ったことによってファンには不愉快な思いをさせたかもしれないが、強くなるために選手とファンにはこういう関係が必要なんだ、と述べていました。

仙台には89ersというバスケットボールチームがありますが、ここ数年はいい結果を出すことができていないので、チームのトップスポンサーであるHaleoの社長は仙台の誰よりもヤキモキしているはずです…
それでも、東北仙台のバスケットボールファンは暖かく見つめ続け、どんな内容であれ、試合中に89ersに対するブーイングを観客から聞くことはなく(僕がそこにいる場合以外は…)、試合後には温かい拍手で選手を励まし続けます。これを見て、僕も星野監督と同様の感情を持ちました。「これじゃあチームが良くなることはないよ…」と。
きっと米国のボストンの熱狂的スポーツファンが見たら「日本人は頭がおかしい!!!」と怒り出す光景が東北のプロスポーツ競技会場にはあるんです。

プロスポーツ選手には自己を投影し、彼らを応援することは自分自身を応援することであり、選手のプライドはファン自身のプライドである。それがスポーツファンの基本的姿勢だと思います。
だからこそ、それをわかっている星野監督が、先述したせりふをファンに対して発したのです。名古屋と大阪のファンの「厳しさ」や「エゲつなさ」を知っている星野監督にしてみれば、後にそれを東北に住むスポーツファンの「強さ」だと知ったであろうけれど、当初は東北のファンは「暖か過ぎ」であり「ヌル過ぎ」に感じて当然です。
それでもファンも選手とともに成長を遂げ、日本シリーズでは「東北の野球ファンとしての持ち味」を十二分に果たし、優勝に貢献しました。
「全員野球」の重要なピースとしてファンも活躍したのです。

数か月前には、ベテランプロテニス選手がヒステリックにこんなことを試合中に叫んでいました。
「Shut Up!!!!!!!」
「ため息ばっかり!!!」
長年のプレイング経験の中で、「日本のテニスファンは試合を見るレベルが低く、ネガティブだ」という印象を持ったようです。
ただですね、どのプロスポーツイベントを見ても、ひいきのチーム(選手)の一挙手一投足に自己を投影するのがスポーツファンですから、ため息だって大歓声だって出して当然です。
数日前まで行われていたMLB World Seriesでも、ボストンファンはピッチャーのストライクには大歓声を発し、ボールにはため息を大胆に漏らしていました。先日の日本シリーズ第6戦、あの田中投手が攻め立てられれば観客は大きなため息を発して落胆しましたが、最終戦の優勝を決める最後の空振りにはこれまでにないほどの大歓声を球場に轟かせました。
プロスポーツ選手に自己投影し、自分のことのように喜怒哀楽を表現する。それがスポーツファンなのです。

前述のプロテニス選手が素晴らしい選手であることは知っていますし、彼女の功績に対しては最高峰の尊敬を示させていただきますが、試合中にため息聞くのがいやだと言うのならば、単純にプロを再び辞めてアマチュア選手に戻ればいいのです。

星野監督は、楽天ファンに、称賛に値しないプレーには厳しい態度で接してくれ、と頼みました。慰めや同情など要らないと。
叱咤激励によって選手たちを成長させてくれ、という思いです。
逆にいえば、叱咤されるからこそ選手は成長し、それによりヘタる選手では勝利の役に立たない、ということです。

ファンはお金を払ってプロスポーツチーム(選手)を応援し、自己投影をするのです。
だからこそ、選手たちはただのスポーツ選手ではなく、「プロスポーツ選手」なのです。
なんだったら、年収数百万のファンが年収数億円の選手に「頑張れ!!!」って言ってるんです。
一般的にいえば、「お前が頑張れよ…」の関係性ですよね。

だからこそ、スポーツファンが大歓声で選手を鼓舞しようが、ため息やヤジで傷心を表現しようが、プロスポーツ選手はそれを正面から受け止め、未来の自分にポジティブに反映させなければなりません。
そのファンの反応が辛ければ、悔しさをトレーニングにぶつけてより良い選手になるために励めばいい。プロなんだから。

そして、僕ら選手をサポートする側の人材は、表舞台に出て賞賛やヤジの直接的対象になることはなくても、それを常に真摯に感じ、彼らの思いに応える仕事をしなければならない。

スポーツ文化の発展は選手だけが作るんではなく、それを囲む人たちもその多くの役割を背負っています。

なんだか今回のブログも内容がフラフラした気がしますが、
とにかく、
日本のスポーツ文化がより多様に発展することを心から願います。

Boston Red Soxと楽天ゴールデンイーグルス、
本当におめでとう!!!!!

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