2013.11.16

体から発進する物体の「速さ」と「重さ」に関して

(この記事内で起こりうる疑問が解決するかもしれないので、その場合はこちらのブログをどうぞ。)

バレーボールの大きな大会が現在開かれています。
(全日本女子バレーS&Cコーチの甲谷さん、元気ですかぁ!!!)

今回は、スポーツで相手に向かって「打つ」「投げる」「蹴る」はたまた「当たる」等の行為を行った場合、その相手(物体)に自分がどのような作用を与えると、その物体に「速さ」や「重さ」がつくのかを説きます。

まず「速さ」から。
もうすでに成長しきってしまった運動選手の場合、「速く」する解決策は残念ながらおおよそありません。
足の速さや跳躍力そして物体を自分側から他方向に放つスピード(先に挙げた「打つ」「投げる」「蹴る」等の行為による物体発射のスピード)は筋肉が収縮するスピード(筋収縮スピード)によるものです。それらの行為に優れた人は、筋収縮スピードが速いということになります。また、そういった行為に優れた人は、小さな頃から体育の授業で大活躍していたり、運動会で一等賞を取ったりと、周りの友達から「運動神経のいい子」というイメージを抱かれている、または自分自身で「スポーツが得意」という印象をもうすでに持っています。だから、自分はそうでないなぁ…という方は、申し訳ないのですが、おおよそその時点で「速さ」の大々的な改善に関してはあきらめてください。
あなたがスポーツで生き残るすべは他にもあるはずです!

そんな人に朗報、「重さ」や「強さ」は改善できますよ!!!
しかもそれ自体の解決策は結構単純です。

自体重を重くすればいいのです。

バレーボール選手のアタックや野球のピッチャーのボールの「重さ」は、体重が重ければ重いほど「重く」なります。「体あたり」に関しても同じことが言えます。相手よりも自分の体の方が重ければ断然有利です。特にバレーボール等の地面に足がついていない状況でのパワー発揮を求められる競技の場合、空中(水中も同様)で他物体に力を発揮するための基盤は自体重だけとなりますから、体重の増加は非常に重要な「重さ」や「強さ」の要因となります。
つまり、体が重ければ、自分から発せられるボールやパンチやキックや体当たりは重くなるということです。
しかも、S&Cプロフェッショナルとしては悲しいことに、対する相手が重い場合は、体重差があればあるほど自分の持つ筋力の大きさは関係なくなり、吹っ飛ばされます…
これは、双方がある程度のスピードを出している場合、どんなに馬力のある軽自動車でも、10tトラックとぶつかってしまえば、大破するのは軽自動車であるということと同じです。
スポーツでの例を言えば、フェザー級の試合よりもヘビー級の試合の方が断然KO率が高いことや、Dirk NowitzkiがShaqにはゴール下で一切敵わなかった等がそれです。
そういうと「長友選手はあんなに体が小さいのに、欧州リーグでも体当たりに負けてないぞ!それはコアが強いからだ!!!」と言いたくなる人もいると思いますが、それは、彼が体当たりに勝っているのでなく、瞬間的なスピードのおかげてポジション取りの段階で相手に勝っているがためで、決して彼のコアの強さのおかげではない、と考えることもできるということも理解してください。
(しかも対している選手たちも結構細い)
(しかも地面に倒れることもあるけど起き上がりの速さでカバーしている)

というわけで、スポーツ選手は太ってください。

という結論で終えることは、S&Cプロフェッショナルにはできないので…

ただ体重が重いと、自分の体を素早く動かす時に不利になります。
障害発生の可能性も俄然増やします。
脂肪が多ければ疲れやすくなります。

では、どのような体重の増加が理想的なのか?

体脂肪率は減らしつつ体重だけを上げる。
自体重/スクワット最大挙上量の数値は上げつつも体重を上げる。
自体重/ベンチプレス最大挙上量の数値は上げつつも体重を上げる。
自体重/クリーン最大挙上量の数値は上げつつも体重を上げる。
etc



これらが達成できれば、選手自体の動きのスピードや障害発生率や持久力まで向上しつつも体重増加できます。

つまり、より良い運動選手になれる!!!

しかしながら、これを達成するのは本当に困難です。
指導者に知識や経験がないと決して成功しません。
また、指導者がどんなに素晴らしくても達成できないこともあります。
それだけの食費を負担できるだけの経済力も必要だからです。

上記した項目を達成しながらの体重増加は、選手の凄まじい努力との共同作業となるので、至難の業です。
それでも、プロや国を挙げてサポートを受けているレベルの選手であるならば、きっと達成できるはずです。
ただ、未だに「運動選手の体重の増加」対してネガティブな反応をするスポーツコーチ陣も見受けられますし…

スポーツコーチの知識の向上と、それによる日本のスポーツ選手の身体能力の発展と、彼らの世界での活躍、応援しています!

以上。

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