2017.6.6

S&Cプログラムの中での上半身運動の立ち位置

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60分や90分という時間の制限がある中で運動指導をさせていただく際、その時間内に行う運動選択の順序は下記の通りになります。

1.そのお客様やグループが効果的に取り組める全身パワー系運動
2.そのお客様やグループが効果的に取り組める全身筋力系運動
3.技術練習の復習が必要な全身筋力系運動
4.上半身運動
5.Posterior Chain 筋群単関節運動
6.複合的腹筋運動

 

つまり、時間がなければ上半身運動や腹筋運動は行わないということです。そして、上半身運動を軽視しているかといえば、条件がそこにそろっているならば、ともすればそういうことになるかもしれません。

ただ、全身パワー系運動を行うためには基礎筋力が必要で、その筋力構築のために上半身筋力系運動を行いますし、全身パワー系運動をやっている時などに上半身の局所の弱さが見つかった場合は、その弱点の克服にも懸命に努めますし、競技上重要と思われる体の部位は可能な限り健康にしておかなければならないので、そのための工夫は徹底して行い、その箇所が上半身の場合は、当然目的の遂行のための上半身運動を取り入れます。

だから上記したように、条件がそこにそろっているならば上半身運動を軽視することも正直ありますが、常に軽視しているかというと決してそうではない、ということになります。

 

とは言え選手の健康とスポーツパフォーマンス向上を考慮した場合、決して無視はできない上半身運動ですから、基本的には私が作成するプログラムには1セッションに押す運動と引く運動が1つずつ入ります。そして、全身筋力系運動ほどではありませんが、確固たるフォームを指導しつつ、目的に沿った動作を繰り返すことで、理想に近い筋力と柔軟性の分布を起こせるよう努めます。

上半身の筋力が勝敗に大きく関係する競技もあります。格闘技やアメリカンフットボールやラグビーなどのコンタクトスポーツなどがそれです。またそこまで激しくなくても、上半身の筋力なくしては競技が成り立たないものがほとんどです。そして、各競技ごとに要求される上半身の能力も異なってきます。だからこそ、まずはその競技に必須な上半身の健康を維持するためにも上半身筋力運動は重要ですし、そのパフォーマンス向上のためにも、可能な限りの筋力と柔軟性を提供する必要があるのです。

S&C指導者としては、上記を全うするための工夫ができる能力は必須です。

ただそこにある運動とフォームだけをひたすら実施するのではなく、その選手に必要な能力を作り出すために、同じような運動でも大きな違いを生み出せるような”一工夫”をしなければなりません。しかもその工夫はただの思い付きではなく、確実にその目的にたどり着けるような確固たる代物でなければなりません。

例えば…
可動域
エキセントリックの長さ
コンセントリックのスピード
息継ぎのタイミング
負荷をかけるポイント

などなど、工夫しようと思えば数々のポイントを変化させ、その選手に合った運動に変化させることが可能です。しかも、上半身運動の良いところは、どれだけ工夫をしてもそれほど高度な技術を必要としない、つまり変化させても指導した次の瞬間からある程度の重量をもってトレーニングを実施させることができる、という点です。

その上半身運動の利点を駆使すれば、S&C指導者は選手たちの時間と体力を可能な限り無駄にせず、効果的なトレーニングの実施することができるのです。

 

実は今、この夏から秋にかけて、その上半身運動の工夫に関するアイデアを提供するようなセミナーを開こうと企画しています。

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確かに全身筋力系運動がS&Cプログラムの核であるのは確かなのですが、やはり核だけでは物の形は出来上がりません。

上半身運動もトレーニングプログラムを構成する重要な要素の一つです。その要素を可能な限り有効化し、それら運動をS&C指導者として駆使するために、今までより深く上半身運動について考え、選手のために最高のプログラムを作成し指導にあたってください。

 

先述した上半身セミナーは、より真剣に上半身運動に向き合えば向き合うほど、より有益な内容と感じていただけるよう、私もこれから懸命に準備します。ご興味のある方は、今から上半身運動の工夫に関して深く考えてみてください!

 

すべては指導対象者のために・・・

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