2018.6.13
”調子が悪い日”の対応方法
まず河森博士が本日書いたブログをお読みください。
実は昨夜から、クライアントさんがお越しになって運動を始めた際に、いつものように体が動かないことが判明した時の対処方法を紹介するブログを作成していたのですが、そんな時に河森博士のこのブログを見かけたので、彼のブログもせっかくなので紹介したうえで、このブログを再構築しました。(ハカセ、本当に今回は偶然だよ!たまにやる”人の褌借りてブログ”じゃないよ!^^)
私が今回アプローチするのは、河森博士のブログ中では「練習とトレーニング以外のストレスも」と名打たれた箇所です。
仙台大学でのS&C指導から、東京でのパーソナルトレーニング指導に職を移してから、それまでの学生アスリートを指導する日々では経験することのなかった状況に相対して、その中でベストを尽くす必要が出てきましたが、その最たるものが「仕事後の体に対する運動指導」です。
今指導させていただいている夜間のお客様には、一日中デスクワークをこなし、その後すぐGS Performanceにお越しいただく方が複数いらっしゃいます。会社勤めの中で、日常的に様々な心身にわたるストレスを抱え、しかもプレゼンテーションや催事等の大仕事の準備で何日もマトモな休みをとれていないコンディションであることも時々ありますが、それでも週に1度のパーソナルトレーニングだけはやっておきたいという強い希望をもってGS Performanceにいらっしゃるのです。(中には夜10時以降から!!!)
畏敬の念すら感じます・・・
そしてそんな方々に共通しているのは、ウォームアップをやってすぐにわかる「おケツのお留守感」です。
GS Performanceの基礎運動であるReverse Lunge(RL)は 、お越しいただく方のほとんどのウォームアップとしても活用されています。OHSDやSDまたは平面での自重RLなど、その方の身体能力に合わせて設定は変えますが、どのRLも基本的には同じフォームで、臀部をしっかり使わないと適切なフォームとされない運動です。
しかし、デスク仕事で座りっぱなし、長距離移動で座りっぱなし、催事で立ちっぱなし等、様々な形で臀部の活動が起こしにくいコンディションを作りやすいのも、立派な一社会人として働いていらっしゃる方々の性でもあります。
そんな時には、まず臀部を直接的に、または臀部周りにアプローチをかけたうえで徐々に臀部を使いやすくするような、通常はアシスタント運動に用いる運動を先に持ってくるトレーニングプログラムを構築し対処しています。
そうすると、ウォームアップでいつものように動かなかった体が通常に近いコンディションまで回復したり、日頃は全く支障のない動作がいつもの数倍困難に感じてしまうことでご自身の疲労度を強く実感して頂いたり、仕事で滞っていた血行が促進されスッキリした感覚を経験して頂けたりと、様々な好影響があります。
指導者として、せっかく頂いた60分や90分の指導時間を可能な限り有効利用するよう努めるのが義務ですので、選択したその策により多くのポジティブな副産物を実感していただければ、指導者冥利に尽きるというものです。
ということで、以下が「おケツのお留守感」に襲われているクライアントさんのコンディションを改善する策として、GS Performanceが用いる運動です。
上記3つは特殊な器具がないと取り入れるのが難しいのは確かですが、工夫さえすればどうにか実施できます。特にReverse HyperとHyperは似たような器具さえあれば実施可能です。
上記2つとReverse HyperそしてHyperは非常に簡単に実施できる運動なので、もともと持つ筋力が弱い方や、「おケツお留守感」症状が強い方にお勧めです。
Hip Thrustも直接的な臀部へのアプローチとして用いることができます。
ハムストリングが硬くてどうしようもないという方にはUgly RDLもありでしょう。
RDLやDLも、RLほどの臀部の介入はないので、重量設定さえうまくできれば、かなり効果的な運動です。
日常の心身にわたるストレスが原因の”動かない”、”硬い”、”こっている”というコンディションを改善してあげることで、そのトレーニングセッション中だけでなく、クライアントさんの日常生活での”快適さ”が向上します。そしてその”快適さ”の実感は、トレーニングのすばらしさを実感していただけることにつながります。
出来ないことがあるならば、クライアントさんとともにそれを解決しましょう。運動指導とは指導者と指導対象者との共同作業です。
*しかも、つらい思いをするのはお金を払っている指導対象者であるクライアントさんの方です!!!!
調子の悪い日を経験している時にこそ、休息やケアの重要性を説明してさしあげましょう。栄養指南もそういう時こそより効果があります。調子の悪いときのパフォーマンスの悪さを身に染みて感じている時こそ、パーソナルトレーニング時間以外でご自身がご自身の健康維持のために何ができるのかを教えてさしあげましょう。そしてその時のために運動指導者は勉強しておきましょう。
目の前にいるクライアントさんの身体能力とその特色そしてその時のコンディションに沿った運動選択をして、頂いた指導時間を可能な限り有効に利用しましょう。