2010.9.11

スクワット(3)

スクワットが膝にいいと言いました。
ではなぜいいかというと、ハムストリングと臀部の使い方に理由があります。

ハムストリングと臀部をうまくトレーニングして、それらに適切な筋力と柔軟性がしっかり付く、そして下肢のボディーコーディニーションが正しく身につくと、膝にかかるストレスを極端に減少できます。

ハムストリングと臀部の筋肉群は体の質のいいアクセルであり、ブレーキでもあります。確かに大腿筋群もアクセルだしブレーキですが、こっち側は燃費と効率が悪く、しかも使いすぎると膝に負荷がかかりすぎるんです。

まずアクセルとして、ハムストリングを中心に考えるとその下にはふくらはぎ、その上には臀部があり、その上には背中の筋肉群があります。これらすべては連動していて(すべきで)、先にも述べたコーディネーションというものを作り上げると、これらの筋肉群が一緒に作動して、「足首」「膝」「臀部」の瞬間的な伸展活動である「トリプルエクステンション」を作り出すときに、とてつもないパワーを生み出すんです。だから、トレーニングする時は全ての筋肉群が連動して活動しやすくなるようなトレーニング方法を多用してあげるといいんです。しかもこれらの筋肉群を正しく利用してトレーニングしている際は、前の回で話した「シアロード」の発生が少ないし、これらの筋肉群をしっかり鍛えれば、スポーツ中に体を止める動作が容易になります。スポーツ中の「走る」「飛ぶ」「投げる」「蹴る」等の全てが爆発的な動きで、それを作り出すのも制御するのも体です。そしてその制御するのを体の後方の筋肉群にしたいんです。だから僕はしょっちゅう「ポステリオールチェーン筋肉群」が大事と言ってるんです。ハムストリングと臀部の話だけをすれば、スプリントやジャンプを止める時、ハムストリングと臀部をしっかりうまく使えれば、膝が前に前傾しすぎることなく、膝の靭帯や筋肉の腱が伸びすぎる前に臀部が後方に下がり、しかも臀部が後方に下がれば次の動きにもすぐに対応できる「アスレチックポジション」が自然に出来上がるので、運動選手として効果的かつ効率的です。とにかくこれらの筋肉群を鍛えれば、体にとっての素晴らしいアクセルとブレーキができあがるんです。
それに対して大腿筋群ですが、ここは動きとしての爆発力(トリプルエクステンション)を発生させる上では他の筋肉群と連動することが難しい、孤立した筋肉群でなんです。ブレーキとしても、この部位を鍛えすぎると、走っているときとかジャンプの後とかに体を止める時にもここが孤立し、その結果この筋肉群ばかりが活動してしまい、結局はブレーキをかける時にも膝が前傾する「シアロード」がかかってしまい、それが継続すると結局は膝靭帯に負担がかかるんです。

だから、胸を張り、腰をしっかり伸ばし、臀部から斜め下方向にさがるようにして、動作中常にポステリオールチェーン筋群の活動が起こるスクワットができるようになれば、それら筋肉群が同時に活動する体の癖が付いているということですから、そのコーディネーションが運動中、体にとって素晴らしい作用をいっぱいくれるんです。

正しいスクワットは素晴らしいんです!

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