2012.4.28

競技としてのWLと、S&C指導者が選手のトレーニングに取り入れた時のWL

先日NHKで三宅選手の特集がありました。
その中で、
重量挙げ(WL)ってのは
「持ち上げて、下に入る競技」
だということをおっしゃられていました。
「簡単に言えばその通りなのだが、それを行うのが難しい。」
そんなことも言っていましたが…

「トリプルエクステンション」
というWLの技術があります。
これは、かつてWLを科学的に分析した人が、レベルの高い選手の試技を見まくって、効率よく重りを上げるためには必要だと気付いた「かかと・膝・臀部」3か所の伸展、つまり「トリプル・エクステンション」ということです。

では、実際に現在のオリンピックなどに出るような一流選手の中で、完全にその3か所を伸ばす試技が見えるのかというと、中国人リフターのスナッチの試技ぐらいにしか見れません。少なからず、私の見解はそうです。
他の選手はというと、かかとと臀部の伸展は見えますが、ひざは伸びきることなく、先にも述べたように、すぐ「下に入る」ための準備をしているのです。
こんな感じで。

ちなみに、彼は僕のブログに何度か出てきている、全米軽量級2位の選手。アジア人なので、我々日本人の体の作りに似ていますが、最後の伸展の時でも、彼の膝は完全には伸びません。なぜなら「下に入る」準備をしなければならないからです。(追記:彼のスナッチにはトリプル・エクステンションは見えます。失礼いたしました。)
まぁ、早い動きなんでなかなか見えづらいですけど、その中でも臀部の伸展はしっかり見えます。
彼なんかは少なからず臀部の伸展を起こすリフターで、だからこそ、あれだけの体であれだけ重いものを動かすことができてるのですが、中には「完全に伸ばしてたら、下に入るための時間のロスになる!」っていうWL指導者もいます。

では、ここからが問題なのですが、S&Cプロフェッショナルは、
「WL指導者がそう言ってるんだから、伸展なんか起こす必要がないのかな…」
なんて思っちゃだめです。

本来ならば、すごく短い時間の中でも、「全て伸ばす」動作は必要なんです。
実際にトップレベルの選手は、少なからずかかとと臀部の「ダブル・エクステンション」は起こしてます。

そして我々S&C指導者は、そこにしっかりもう一つ足して
「トリプル・エクステンション」
にしてあげると、効率よく選手の体を鍛えられます。
つまりこういうこと



なぜなら、ジャンプ時やスプリント時にはその
「トリプル・エクステンション」が必要になるから。
スナッチやクリーンの時に伸びてない人は、スポーツパフォーマンス時も、絶対に、伸びてませんよ。
つまり、効率が悪いんです。
逆に言えば、WLの時に伸びていれば、スポーツパフォーマンス時も伸ばすところ伸ばします。
こんな感じで。




みんな、いちいち伸ばしてるでしょ。
これが効率のよさです。

じゃあ、WLの試技中にそれらが伸びてない選手に
「伸ばせ!」
って言えばいいのかというと、それはまた違います。
文句を言うだけならただの「クレーマー」。

S&Cコーチならば、伸びるための筋力をつけてあげてください。
そのために、基礎的なウェイト・トレーニングと諸々のウェイト・テクニックがあるのです。

爆発力を育てるためのWLならば、効率よくその運動を処方してあげること。

伸びてほしい部分を、当然のように伸ばす体を作ってあげて初めて、
「プロ」
です。

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