2012.9.21

体のそしてその動きの見方

全体的にものを見なければいけません。

日本に帰国して最初に仕事を手伝ったところで、こんなことがありました。
背中の曲がった(いわゆる肩が前傾した)人がいる。その人の姿勢を正すために必要な運動とは何か?という話題があがりました。
ある人は「ローイングなどの肩甲骨周りの筋力を向上させる運動を行う」と言ったので、僕は「それでは根本的な問題の解決にならない。そういう人にこそデッドリフトをやらせるべきだし、デッドリフトをさせるための準備が十分にできる運動の処方をするべきなんですよ」と教えてあげると、その人は「人それぞれ運動処方の方法はあるからね…」という反応を返しました。
つまり、局部にしか目が言っていないから、僕が言うところの「根本的な問題の解決」部分の意味が分からなかったのです。

別のいい例として、骨盤が曲がっているだとか前傾しているだとか、そういうことを言っているとかっこいいと思われている今日の日本におけるブームです。骨盤というのは勝手に”曲がったり””前傾したり”するものではなくて、多くの場合は周りの筋肉がその場にあるように引っ張って支えていることが多いんです。
だから本来ならば、ハムストリングや臀部の筋肉群の問題を指摘してあげて(決して腸腰筋等の腹部・臀部の屈曲に携わる”インナーマッスル”とバカどもに呼ばれている筋肉群のことはここでは指摘しない)、その結果論として骨盤の位置のことを言うべきなんです。骨盤そのものまたは局部に何かしらの力を与えて(または”インナーマッスル”を鍛えるためにクネクネさせて)骨盤を「まっすぐにする」努力を試みようとする人には注意してください。効率が悪すぎます。
上に書いた「腰が曲がっている」「姿勢が悪い」というのもそれと同じで、その局部だけの運動をして治せると思ったら大間違いなんです。

例えばスクワットの下降時に上半身が前傾してしまうのはなぜか?
デッドリフト時に臀部が先に上昇するのはなぜか?

スナッチやクリーンのダブルニーベンド時(セカンドプルの初期動作)に膝が前方向にシフトせずそのまま伸展のみをしてしまう理由も、実は上に書いた2つの現象と同じ理由です。

ある重要な筋肉群の筋力不足そして時に柔軟性不足からくるんです。
そして、スクワット時に上のような現象を起こす選手は、高重量を持った時に理想的なレベルまで下降することも困難になります。その選手は垂直跳びをさせるとピークに達しても臀部のあたりがかすかに「くの字」になっていることが多いでしょう。フルクリーンやフルスナッチも高重量で行えません。
全て同じ身体的弱点が原因です。
で、結構そういう人がACL切ります。

正しいウェイトテクニックがあるという条件下での話になりますが、今回例に出した体の部位のみならず、全体的に見て弱点を解決してあげるための運動を処方してあげると、怪我も無くなるし効率の良い体の動かし方も身につくし、いいことが重なっていい運動選手が出来上がるんです。
試してみてください。

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