2013.5.8
裏方なんだなぁ…
先日機会があって、S&Cプロフェッショナルとして取材を受けてみたところ、どうも面白い話題が提供しづらいことに気づきました…
運動を見ていただいて、
「この運動は加賀さんが開発されたんですか?」
と聞かれて、たとえそれが基本とされる運動に少し応用をきたしたものであってとしても、
「はいそうです!私が知恵を絞って……」
とは言えないですよ…
体の構造を知っていればこそ色々な工夫をするのであり、その創意工夫こそがS&Cプロフェッショナルとしての真骨頂みたいなところがあるので、そこでそれを「私の大発明!」とは呼べません…
たとえば、
中華屋さんがチャーハンを客に出して、そしてその客にとってそのチャーハンが生まれて初めて食べるチャーハンだったとして、「この料理美味しいですね!あなたが考えたんですか!?」と聞かれても、当然「そうです!」とは答えられないだろうし、たとえそのチャーハンが”松茸入り白トリュフチャーハン”だったとしても、それは元からあるチャーハンに工夫を加えただけの料理だから、それを胸を張って「オリジナル!」とはプロならば恥ずかしくて呼べないと思うんです。
ただ卓越した料理の技術があって、発想力と高い食材を買い求めるだけの経済力があればできちゃうんだから…
僕たちは、選手のニーズに合わせて、彼らの足りないところを埋めるために、そしてさらなる高みを目指せるように、トレーニングプログラムを作成して指導にあたります。
そこに創意工夫があるのは当然だし、オリジナリティーを持ってて当たり前なんです。
そんなS&Cスペシャリストが、ドラマチックで英雄的な回答を取材で返せるわけがありません。
だって、ドラマチックで英雄的な結果を出した運動選手こそがそういう回答をメディアに返すべきなんだから…
我々S&Cスペシャリストは、やっぱり取材しがいがないというか、大活躍した運動選手ありきの職業というか、そんなもんです。
どうにかして分野の社会的地位を高めたいと思っていますが、やっぱり結構難しいのね…
と改めて実感しました。
とにかく、僕の目の前にいる人たちに役立つことでコツコツとやって行きます。
以上。