2016.4.12
競技力向上とS&C
ある方からメールをいただいて質問を受けました。
その方にはどうしても直せない競技動作の癖があり、指導者の助言も参考にし、ご自分でもいろいろと試行錯誤を繰り返し改善に励んでいらっしゃるが、どうしても直すことができないどころかどのように直せばいいかアイデアすら思いつくことができないとお悩みのところ、僕にメールにて質問をしてきていただいたのです。
ただ非常に残念ながら、その方の競技動作に関しては僕は具体的な助言はできません、という回答しかできませんでした。
これはどういうことかというと、僕はS&Cスペシャリストであるので人体動作を見るプロではあるのですが、競技指導者ではないなので、ある競技に特化したテクニックや動作に関して知ったフリをして意見を出すことはできないということなんです。
では僕がS&Cスペシャリストとして競技力向上にどのように関わっていけるのかというと、下記のような手順となります。
選手に出会う
⇒基礎運動を通して体を見る
⇒癖や傾向を知る
⇒運動選手に「改善された身体能力をフィールドやコートで発揮できるように競技練習に励め」という懇願に近い指示をしつこいように出す
⇒気の利いた意識の高い選手がその指示を聞いて創意工夫をしつこいほど繰り返し、競技テクニックや競技スピード等を延ばすために努力をし競技力向上に努める
⇒選手のその努力が実を結んで顕著な競技力の向上が発生する
ただ、上記のようなS&Cと競技力向上を結び付けるような現象を起こすにはさまざまな大きな困難が伴います。
困難その1:S&Cプログラムはつらいので、競技力向上に結び付くレベルに達するまでしっかりとついてきてくれる選手がなかなかいない。しかも、ウェイトトレーニングに関するマイナスイメージが未だ世間では強いので、S&Cに目を向ける競技指導者や選手がまず基本的に稀有。
困難その2:たとえS&Cプログラムに徹底して励んだとしても、運動選手としての才能や競技者としての才能が足りず、周りに大きなアピールになるほどの競技力の向上にはつながらず、結果その努力も競技力向上も日の目を見ることが難しい。
困難その3:競技力につながるようなS&Cプログラムの成果は出ているのだが、選手はそれ以外にも多くの努力もしているので、その競技力向上が「S&Cプログラムのおかげ!!!」と直接的な言い方をすることが難しい。
これら3点以外にも様々な難点は存在しますが、大きくはこれらであると思います。
しかし、それらのみが現実だと僕もS&C指導者としてむなしすぎるし、業務を続けていく気力も失せるので、明るい方向は常に向いています。
その「明るい方向」こそが上記したS&Cと競技力向上との関係性です。その関係性で記したような現象が起こる可能性と、その関係性を信じて僕の下に来てくれる選手たちの存在があることを信じ続けて、日頃から懸命にS&C指導者として研鑽に励んでいます。
何をやっても競技力向上につながらないとお悩みの方で、未だまともなS&Cに触れて努力をされた経験のない方は、是非一度S&C指導をお試しください。
そしてその際にできる限り高レベルのS&Cに触れて努力をしたいという方は、ぜひともGS Performanceをお選びください。