2019.11.27
S&C塾は指導者育成”ネズミ講”の元締めではない
GS PerformanceにはS&C塾という指導サービスがあります。
優秀なS&C指導者になることを目指す人材に、運動指導のイロハを教えるプログラムです。
運動指導者である私が、他の指導者がより優れた運動指導者になるための指導をするという事は、短期的に見れば私のビジネスの成功のためかもしれませんが、長期的に見ればビジネス上のライバルを増殖させ、社会においての私の存在意義を薄れさせることにつながります。
それでも私がこの塾を実施したいと思ったのは、私が独立した時に名乗りだした「GS Performance」という名称がそう名付けられた理由と同じです。当サイトの「Concept」のページから抜粋します。
”GS PerformanceのGSはGold Standardの頭文字です。
Gold Standardとは「優秀な模範・基準」という意味があり、GS Performanceは、運動指導業界のGold Standardつまりは「模範・基準」として、日本国内と世界に「運動指導とは」を広く発信していくことを目標としています。”
だからうちのS&C塾を経て、うちの塾以上の指導者育成プログラムを実践できる、という自負のある方がいれば、是非ともうちの塾の形態を参考にしていただいて構わないし、うちの塾で学んだ内容を指導内容に含んでいただいて構いません。
ただ、「自分の方が上」という強い自負もなく、短絡的な目先の利益のためだけに、「あ、自分も塾的なことやって金儲けしよう!」という発想でセミナーを開催しているのであれば、即刻辞めた方がいいです。指導される人がかわいそうです。
ちなみに下記が塾の内容です。
***実技***
Week 1~8:私が作成したプログラムを実施することで、身をもって「ウェイトトレーニングを行い身を鍛える」という項目に当てはまる事実を実感してもらいます。運動を覚える難しさ、できないことを克服するための”無理”、筋肉痛、わが身が変化する喜び、慢性障害を感じずに生活できる喜び、などなど、S&C指導で選手たちが経験できる内容を実感することがこの時期に非常に重要なことです。
Week 9~16:引き続き私が提供するプログラムは行います。それまで週2回のプログラムが週3回になり、週2回の塾におけるトレーニングでは「相互指導」を取り入れ、Week 8までに得た知識と経験をもとに塾生同士が指導しあいます。その相互指導は、塾以外の時間を見つけて行わなければならない自主トレーニングメニューにおいてはLINEを用いた「遠隔指導」として行います。この相互指導の中で、塾生たちは「客観性」と「指導者としての目」を得る機会を得ます。
***脳力***
- 筋肉痛から何を学ぶか
- できないこと、苦手なことから何を学ぶか
- 重量の設定決定に必要な情報
- WTがSPに悪影響を与える条件とは
- BPのグリップ幅
- Pull-upのグリップ幅
- 英論文読解そして論文読解&発表会(こちらのブログに課題となる論文が書いてあります)
- RL vs SDRL vs OHSDRL
- Testingはいつ・何を・どのように・なぜ
- Warm-upとCool-Downに関して(Brain Storming)
- Push-up & Sit-up どのように難しくするか
- DBBP vs BBP
- BSQ vs FSQ vs OHSQ
- RL vs 1LSQ
- BSQ<RLの人はどのような特徴があるか
- デモンストレーション(Toes to Fingers、エラー)
- 相互指導(必要最小限で最大の好影響を)
塾期間中に上記の課題に順を追って取り組んでもらいます。塾生は、わからない内容は参考文献を用いて調べ、自身の頭をフル回転させて熟考し、他の塾生よりもより良い回答を準備して塾に持ち寄る、というのが塾のルールです。これら課題の解答を丁寧に説明しつつ、「考える」という作業の難しさも塾の中では説きます。この作業を経て、塾生たちは「人のために成長する難しさ」を理解しだします。実技よりもこの「脳力事項」が塾生の歯止めになるケースは多いのが事実です。
こういった、”私の工夫”が詰め込まれた塾ですので、上記した進行方法や解答をただただパクられてしまうのは心外です。
確かに、塾に入るためにお金を払ったのですから、そこで得た知識や技術はその人たちのものです。ただ、越えてはならない一線はあります。S&C塾はあくまで指導者育成のセミナーです。指導者育成プログラムを用いて金儲けをしたい輩たちのネズミ講ではないのですよ。
先述した通り、八百万歩譲って、彼らが心の底から「自分の方が優れているし、より優れたプログラムで後進の指導もできる」という自負と覚悟を持っているならば、私もそれらの人材を覚悟を持って見守りましょう。しかしながら、陰に隠れて私の目を避け、しかもうちの塾の質には届かないことを確信しつつ”ネズミ講”をしているのであるならば、やはり私はそれを認めることはできません。
このSNSが栄えた世の中にあって、あなたを知っているという事はうちが発する情報も常々見ている、ってことです。どうしてそこに気づけないのか・・・
そして何より、運動指導者が相手しているのは他人様の体です。運動指導者に指導をするという事は、その指導者が将来指導する他人様の人生に責任を持つという事です。その事実の重さに真剣に向き合い、真摯に生きてください。
偶然にも同じような形態であったり、指導内容であることもあるでしょう。でも偶然にも程度はあります。特にその人がうちのS&C塾出身だとすると、その人は指導方針・方法等のアイデアも、課題とその解答もパクっちゃう人です。業界の狭さや第三者からの印象とか、そういう点を気にすることもできずに運動指導者をしてしまっている人材なので、結構ヤバいです。
GS Performanceでは、ある一定の身体能力を手にする程度の実技を実施していただき、実体験としての筋力トレーニングとその効果を経験していただかない限りS&C塾の受講はできないことにしましたが、それでも、「本物」を学ぶ覚悟があるならば、ぜひご連絡ください。
それでももしその「二番煎じ&聞きかじり解答のパクりセミナー」で構わないという方であれば、このブログの内容は忘れてください。
自身の運動指導者としての成長を託し、様々なセミナーに参加している方々、確かにどんなセミナーでも、そこに費やした時間や努力や金銭にはしっかりと価値はあるはずです。それでも、世の中には様々なレベルの指導者がいることを忘れないでください。有限なものにより深い思慮と覚悟と愛情を。