2017.9.16

澤村投手の一件から

澤村投手の肩の神経系の怪我は、チームトレーナーの針治療が原因と球団が正式に認めて澤村投手に謝罪したというニュースが出て、健康・フィットネス業界はザワつきました。仲間の新盛院長の治療を受けに行ったときに、彼に「どうなんです?」と尋ねたところ「いやぁ…そんなこと聞いたことないし、まずないことなんですよねぇ…」という回答を聞き、なんかどこの業界も大変なんだよなぁ…と思っていました。

 

そんな矢先、なんとその火の粉が我々の業界に降りかかってきたので、ここはしっかり防御しなければならないと思い、このブログとなります。

 

まずその「火の粉」となったのはこの記事でした。

 

鍼灸師として自己防衛・弁護するための内容は本当に分かり易く、感銘を受けました。多くを学びました。

 

しかし、ウェイトトレーニングを今回の怪我の原因では?という理論がかなり強引です。

ということで、S&Cスペシャリストとして、今回の怪我とウェイトトレーニングの関係をこちら側の理を載せて解説します。

 

まず、確かにウェイトトレーニングは量・強度・フォームを取り違えると障害に結びつくことがあります。これは確かです。
ただ、澤村投手がどのようなウェイトトレーニングをやっていたのかを知らない時点で、ウェイトトレーニングを悪者にはできません。

「澤村投手の長胸神経麻痺の原因は、ボディビルダー並みの激しい筋トレが原因ではないかと思う。」というならば、ボディービルダーのトレーニングをすると神経系の怪我をする、と受け取られ、では「大半のボディービルダーは神経系の怪我をしますか?」という質問に結びつきます。そしてその質問に対する答えは「ノー」です。

 

その後イチロー選手を引き合いに出し、ウェイトトレーニングで増加させる筋力と筋肉量に関して言及しているが、これに関してもまず、イチロー選手にはどのようなトレーニング背景があり、どのくらいの期間どのような頻度でトレーニングをしていて、そのうえで先に挙げた強度・量・フォームはどのようなものだったのかを知りえない場合、イチロー選手を引き合いに出したところで強い説得力を持つことはできないです。例えば、大半のプロ野球選手がそうするように、イチロー選手がオフ時期の2か月間に集中してトレーニングをしたと仮定した場合、どれだけ一生懸命に2か月間トレーニングしても、筋力も筋量も大して望めないです。そして集中的にやれば疲労もたまります。そしてその後そのトレーニング量も強度も下げれば、オフ時期の2か月間の時間も疲労も無駄にすることになるくらい、その時期に育てたものは消えていくことになります。つまり、その時期の筋力も筋量がイチロー選手にとって「非日常的」である場合、それらが消えた時に本来の調子の良さを感じるのは当然です。その感覚をイチロー選手が彼の経験値として持った場合、やはり筋トレは彼にとって不必要なものになると思います。ただ、これもすべて多くのプロ野球選手の1年のトレーニング状況を私の知りえる中で考慮したうえでの仮定の話であって、もしかしたら本当にイチロー選手はウェイトトレーニングが”体に合わない”体質なのかもしれないですよね。人間様々ですから。どちらにせよ、ウェイトトレーニング経験が豊かではない(やってみた時期はあるが、自身の体には合わないとやめたのだから、比較的短い期間であろうことからの予測である)イチロー選手のセリフに、ウェイトレーニングのとやかくを否定するだけの理を見つけるのはやはり難しいですね。

ただ一点だけ強く言わせてください。
”安心してください。人間の腱も靭帯も関節も、鍛えられますよ!”

(「トラとかライオンはトレーニングしない」で、これがどのようにウェイトトレーニングをやる必要がない理由につながるのかがいまだに全く理解できません…)

 

「ちなみにボディビルダーでも、若くして亡くなる人が時々いた。」とも筆者は述べていますが、多くの角度から考察しても、それとこれとは全くの別問題であって、これに関しては、なぜあれだけの自己弁護の文章を書く知識がある”健康の専門家”がこんな一文をつけてしまったのかが疑問です。

 

重量挙げ選手の膝ですが、確かに彼らは競技練習の積み重ねで膝を壊すことが多々あります。これは重量挙げが競技だからであって、ウェイトトレーニングがそうだからではないです。人体のすべての関節には、かけるべきではない方向からのストレスがあり、そのストレスをかけ続けるとケガにつながります。重量挙げ選手は膝にとって健康的ではない方向からの滑るようなストレスをスクワットの時やクリーンやスナッチのキャッチの時に起こすことで膝を壊すのです。
ウェイトトレーニングは競技でなくトレーニングなので、自身の体をより健康的にするために、徹底して間接に優しい健康的な動作パターンを取り入れていれば、競技でも日常生活でも、体は比較的長く健康的でいてくれます。詳細はここで。

 

スポーツというものは体に酷なことを行うものなのです。その中で、どうにか健康を保つために行うのがウェイトトレーニングです。詳しくはここを。

もし不健康なウェイトレーニングを澤村選手が行っていたという事実があるならば、もしかしたら、今回の怪我の原因の何割かはウェイトレーニングに載せていいのかなと思っています。そこはS&C指導者としても認めざるを得ません。でもそれを言うなら治療もそうでしょう。だからこそ筆者も断言を避けているんですよね。

 

「やはりニュースというのは、報道のみを鵜呑みにすべきではない。どんな事でもそうだが、なぜそのような結果に至ったのかを、別角度から確かめる事も必要である。」
に強く同意します。

 

以上です。

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